14年前、東日本の海岸を襲った大津波。「絶望から希望へー」。震災を風化させないため海と向き合う、サーファーの思いに迫ります。
一年中、安定した波があり全国のサーファーが憧れる宮城県仙台市にある仙台新港。この海を愛するのが、仙台市在住の熊谷航さんです。

熊谷航さん:
「小さい時から仙台新港が遊び場みたいな感じで、ずっとここにいました」

両親の影響で10歳の時に本格的にサーフィン始めると、波に乗る楽しさに魅了されていく熊谷さん。

熊谷航さん:
「自分の成長を感じたのは、高校生ぐらい、身体も大きくなってきてサーフィンも調子よくなってきた」
しかし、1年後の高校2年生の時、大好きな海が一変しました。

熊谷航さん:
「震災が落ち着いた後、仙台新港を見に行ったが、すごい状態になっていてショックが大きかった」
家族は、全員無事でしたが、父親が経営していた、サーフショップが大きな被害を受けました。

それでも、「必ずサーファーが帰ってくる」と信じ、熊谷さんは、店を継ぐことを決意しました。

熊谷航さん:
「お店に通ってくれていた人たちやサーフィンが好きな人たちを少しでもサポート出来たらなという気持ちがあって、自然の力は恐ろしいです。その中でも、しっかり対応できる準備や情報を常に確認していけば、海は楽しめる場所だと思っています。たくさんの人たちに海を好きになってほしいなという気持ちはありました」

そして、震災発生から約1年後。慣れ親しんだふるさとの海が帰ってきました。

熊谷航さん:「やっぱり、自分のやってきた所に久々に入れるようになった時は、ものすごく嬉しかった記憶があります」
大学生時代、学生チャンピオンに輝いた熊谷さんでしたが、プロサーファーの夢は、叶いませんでした。それでもサーフィンを続けるのは、磨いてきた技術、そして、海への思いを次の世代へ伝えるためです。
熊谷さんの生徒:
「分かりやすいし、サーフィンも上手なので最高のコーチだと思います」

熊谷さんの生徒:
「(Q:夢は?)プロサーファーになることです。」

熊谷航さん:
「今サーフィンが出来る環境に感謝して、いろんな事を経験して楽しむことを一番に頑張ってやってほしい」

「サーフィンを大好きでやってほしい」