マイナンバーカードを保険証としても使う――その詳細が見えてきました。
13日午前、河野大臣は会見で「デジタル社会を新しく作っていくため、マイナンバーカードはいわばパスポートのような役割を果たす。」と述べ、マイナンバーカードと保険証の一体化について、2024年秋に現在の健康保険証の廃止を目指すということを改めて示しました。
「マイナ保険証」は、私たちの生活にどのような変化をもたらすのでしょうか。
メリットや、課題について専門家とともに考えます。
■「マイナ保険証」利用者のメリットは“手続きの簡素化”

▼病院などでの手続きが簡素化
現在病院などに行く際、診察券・保険証・お薬手帳などを持って行くが、これを全て「マイナ保険証」に一本化することで、持ち歩くものが減り財布の中身などがすっきりする。
▼顔認証で本人確認と保険資格の確認ができる
顔認証付きのカードリーダーを使うことで、受付が自動化される。
▼更新が不要
現在は、転職・引越し・結婚などで保険証の変更手続きが必要だが、「マイナ保険証」は随時情報が更新されるので、更新手続きが不要になる。
■「マイナ保険証」医療機関のメリットは“情報共有”

これまで医療機関同士では情報の共有はされていませんでした。
「マイナ保険証」を使うと、患者の同意があれば、過去の通院歴や受診内容、処方薬などを、自動で連携することができます。
さらに健康診断の結果(40歳~)もデータで確認することができるようになります。
患者の記憶に基づく聞き取りや、お薬手帳での確認作業が簡素化され、正確性が上がることが期待されています。
■カードの普及率がカギ 保険証の登録は現状2割以下

課題は、マイナンバーカードの普及率です。9月末時点で49%。最大2万円分のポイントが付与されるマイナポイントキャンペーンを行っていますが、それでも2人に1人という現状です。
2021年10月から「マイナ保険証」が本格導入されましたが、登録者数は、全人口の約20%にあたる2480万2533件にとどまっています。
8割以上の人が未登録ということですから、マイナンバーカードを持っていても保険証とは一体化していないという人も多くいるのかもしれません。
■「紛失時に情報が流れるのでは…」不安の声も

マイナンバーカードと保険証の一体化について街の皆さんはどう思っているのか、聞いてみました。
Q.マイナンバーカードをお持ちですか?
50代男性
「申請してるだけで、まだ持っていない。便利だと思うが、紛失したときはちょっと困るかもしれない。」
20代女性
「持ってないです。申請が時間かかりそうだったので、持ってない。」
50代女性
「持ってません。国に管理されるのがちょっと…。1枚失くしただけで情報が全て流れてしまうという心配が、みんなあるんじゃないかと思う。」