ロシアによるウクライナ全土への報復的爆撃で再び首都キーウが戦時下の非常事態に。死傷者は100人超と報告されています。ロシア側は8日に起きたクリミア橋爆発への報復措置だと主張しています。ウクライナ研究で知られる神戸学院大学・岡部芳彦教授はロシア側が「ウクライナの工作員がロシアのクルスク原発への攻撃へに対する報復」と主張していると言います。さらに、「ロシア国内では精密ミサイルで軍事やインフラ施設を爆撃したという正反対の報道がなされている」として、プーチン大統領の国内向けの“フェイク報道”の実態を語りました。

クリミア橋爆破は「ロシアにとってかなりのショック」

ーー10月10日にロシアはウクライナ全土に大規模な爆撃を行いました。プーチン大統領は今後もテロ行為が続けば対応は厳しくなり、攻撃はクリミア橋の爆発への報復だとプーチン大統領は語りました。今後の戦況はどのようにみていますでしょうか?
「これまでウクライナ東部・南部の占領地拡大を優先し、都市部への攻撃は行われず戦況が思わしくないため、都市部への無差別攻撃が続くのではないかと思います。今まで東部地域で戦闘に集中していたんですけども、クリミア橋の爆破がきっかけとなって全土の空爆に切り替えてきたなと思いました」

ーークリミア橋の爆破は非常に大きな出来事であった?
「その通りですね。実はクリミア橋にはこれまで何度かウクライナ側の破壊工作のようなことを試みたことが報道されていました。しかし、一度もうまくいきませんでした。今回、犯人は特定されていませんけど、何らかの爆破・破壊行為が行われましたので、ロシアにとってはかなりショックだと思います」

ーー西部にも爆撃がありましたが、ロシアは全土が射程に入ってるよということなんでしょうか?
「巡航ミサイル、イラン製の自爆ドローンも使われていまして、全土、特に西部が攻撃をされて停電になっている場所もあるということです」