郡山市の大町商店街にある『丸栄ふとん店』。創業なんと106年目。ふとん店という店名ですが、地元ではこんな愛称で親しまれています。

--片田尚子さん(3代目)「綿を扱っていたので『綿屋』さんっていうふうに。100年前は綿のふとんを各家庭で作っていたんですね。おうちで(ふとんを)仕立てる用に綿を販売していたんです。」

数ある布団の中でも、綿の布団を専門に扱ってきたお店。『綿屋』という屋号で親しまれ、古くなった布団の打ち直しや寝具の販売などを行っています。触り心地がよく、通気性や吸湿性に優れている綿。実はこんな魅力も。

--片田尚子さん(3代目)「種をまいて、また花が咲いて商品になってみたいな。循環型社会を目指してるので、いいなと思いますね。」

そんなお店を切り盛りするのが、3代目の片田尚子さんです。

--片田尚子さん(3代目)「祖父がですね、初代なんですけれども。この抱っこされてるのが父、2代目なんです。小さいときから(店を継ぐように)育てられていましたので抵抗ありましたけれども、結局はやるようになってしまったんですね。」

使命感から自然と店を継ぐようになったという尚子さん。事業を継承してから布団以外の綿製品も扱うように業態を変更しました。そのきっかけとなったのが東日本大震災です。

--片田尚子さん(3代目)「(店が)半壊になって、壊して全壊っていう形になったんですね。大きく箱(店舗)が変わったので、そこで自分のやりたいことを見つけてきたっていうのが大きな境になって。店にふらっと来ていただけるものがあったらいいなと思って、コットンのものを扱い始めたんです。」

--番組スタッフ「店をやめようかなっていうふうにはならなかったんですか?」

--片田尚子さん(3代目)「はい、ならないですね。マイナスなことは思わないので。地域の人にもうちょっと違った形で親しまれるように、どうしたらできるかっていうことしか考えていないので。」

創業以来の綿へのこだわりは貫きつつ、より気軽に立ち寄れるお店へと進化させた尚子さん。最初は仕入れを中心に、綿商品を扱っていましたが、2015年からオリジナル商品も販売。それがガーゼタオルです。