霊感商法の問題に取り組む全国の弁護士連絡会が、富山県の新田知事に送った「今後は旧統一教会と一切関係を持たない」ことを求める申し入れと質問状について、新田知事が回答しました。回答の中で新田知事は、「特定の宗教団体に未来永劫付き合わないと宣言することは政教分離原則の観点から問題がある」などと従来の主張を繰り返しました。

新田知事:
「質問には真摯に答えようということで、ちょっと時間かかりましたけど、お答えしたところです」

全国霊感商法対策弁護士連絡会は9月、安倍元総理銃撃事件以降、全国の知事の中で初めて新田知事に対し「今後は旧統一教会やその関連団体とは一切関係を持たない」ことを求める申し入れと質問状を送っていました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士(9月6日の記者会見):
「(旧統一教会に対して)県知事さんは煮え切らない対応をしていらっしゃる。それはきちっと判断をして、関係を切るということを県民に明らかにしていただく必要があるんじゃないですかと」

新田知事から12日、6ページに渡る回答が弁護士連絡会に届いたということです。

新田知事はこれまで旧統一教会について政教分離の原則から「知事としては関係を絶つとは言えない」としていますが、回答書でも「県知事が特定の宗教団体につき、世俗的な行為の外形的側面が消失した場合も含め未来永劫お付き合いをしないと宣言することは、政教分離原則の観点から問題があるところではあります」と同じ主張を繰り返しました。

毛田千代丸キャスター:
「(旧統一教会との関係を残す)余地があるということですけど」

新田知事:
「余地があるかはわからないですけど。私はとにかく特定宗教に対する援助、助長、促進、圧迫、干渉。この5つの行為は今の県知事という公権力を持つ立場で、とても大きな権力を持っています。それでかつ、こういう公的な記者会見の場で、県庁の中でそういった発言はできませんと言っているわけで、将来関係を修復するとか、余地がある。それはまったくチューリップテレビさんのご想像だというふうに思います」

毛田千代丸キャスター:
「すでに社会問題がこれだけ出ていて、解散命令を求める声も元二世信者や弁護団から上がっています。未来永劫関係を絶つという踏み込んだ発言も許容できる段階と私は思いますが、そのあたりいかがですか」

新田知事:
「私は県知事という公権力を持つ立場です。この立場で記者会見をしているわけですから、そういった言葉を使うことは私はできないということですね。コンプライアンス上問題がある団体とは今後お付き合いしませんということは、申し上げている通りです」

回答を受けて弁護士連絡会は「本件は消費者被害、家庭崩壊、子どもの人権の問題であって宗教問題ではありません。宗教法人を特別扱いする考えは誤りです」としていて、13日記者会見をする予定です。