一緒に出かけた犬も事故死 夫奪われた女性の無念
検察側は証拠として、事故当日の大竹被告の車のドライブレコーダーの映像を提出。追い越し禁止の片側1車線のトンネル内で、3台の車を無理に追い越す様子など、公開されただけでも7回の追い越しを行う運転の様子が明らかになった。
また、事故で死亡した棚倉町の男性(82)の妻で重傷を負った女性(76)の供述調書も読み上げられた。その中で、男性は定年退職後、ドライブや絵を描くことが好きでよく出かけ、事故当日も南会津特産のトマトを買おうと向かったこと。妻は、事故の衝撃で事故前後の記憶がなく、気が付いたのは病院のベッドの上だったこと。夫が突然、命を奪われた無念さ。自身も重傷を負い、夫の葬儀に立ち会えなかったこと。長年、内職を続けていたランドセルの手縫い部分の仕事ができなくなったこと。そして、一緒に出かけたペットの犬も事故で死んだことが明らかにされた。
そのうえで、大竹被告に対し、「重大な結果から、長い間刑務所に入って、心から反省してほしい」という心情が明かされた。
裁判2日目の6日は、被告人質問などが行われ、裁判3日目の7日に論告求刑、そして11日に判決が言い渡される。【②③に続く】