岩手県大船渡市で発生した山林火災は、発生から1週間の3月5日にようやくまとまった雨が降り、火の勢いは弱まりつつあります。tbcでは、JNN取材団として火災の発生直後から大船渡市を取材しました。現地では東日本大震災の経験から支援の輪が広がっています。
大友惇之介記者:
「かなり火柱が上がっているのが確認できます」

2月26日に発生した岩手県大船渡市の山林火災。焼失面積は、約2900haと大きな被害が出ています。

千田国広さん:
「俺が見たときは、まだ小っちゃい火だったのが、この山を越えて見えたんだ。炎が。20分ぐらいしてから」

大船渡市の綾里地区に住む千田国広さん。26日の午後1時すぎ、車で自宅に帰る途中に火事を目撃して、消防に通報、家族3人で越喜来小学校に避難しました。その後の自宅の様子は分からないままです。

千田国広さん:
「自分の家がどうなっているのか、自分の地区がどうなっているのかがわからない。燃えちゃったら燃えちゃったで、しょうがないから、これからどうしようかと考えられるけれど、どうしようもない。考えられないから」

大船渡市では連日、仙台市消防局をはじめ、全国の消防や自衛隊が応援に入り、消火活動にあたっています。

しかし、避難指示の対象地域は、日を追うごとに広がり、5日午前7時現在で、4111人が避難を続けています。火災の影響は、地元の宿泊施設にも…。

大船渡温泉 志田繕隆支配人:
「先の予約とかも含めると金額として100万円を超えるくらい(キャンセルがあった)閑散期だけにこれは痛い」

東日本大震災のあと、2014に建設されたホテル「大船渡温泉」。現場から直線で2.5キロの所にあり、宿泊のキャンセルが相次ぎました。そんななかでも避難者や消防署員らに温泉の無償提供を決めました。

大船渡温泉 志田繕隆支配人:
「旅館・ホテル組合でも寝具の貸し出しとか、お風呂の提供を始めているので、夜遅くでもみんな集まって話をしているのは、やっぱり東日本大震災を経験したからだと思う。毎日消火活動に参加している消防の方が、疲労困憊な様子を見ていると、みんなで手伝ったり支援したりしなければいけないと、毎日右往左往している」

3月5日で火災の発生から1週間。ようやくまとまった雨が降り、火の勢いは次第に弱まりつつあります。火災の鎮圧に向けて、6日も消火活動は続きます。