広島市で2021年、知人の男性を殺害し、遺体を切断・遺棄した罪に問われている男の裁判員裁判が4日、広島地裁で開かれ、検察側は懲役20年を求刑しました。

殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われているのは、広島市佐伯区皆賀の渡部大地被告(32)です。

起訴状などによりますと、渡部被告は2021年10月、祖母の家で、知人の植木秀俊さん(当時70)の顔をコンクリートブロックで殴って殺害。その遺体を切断して庭に埋めて隠したほか、海などに遺棄したとされています。

これまでの裁判で、渡部被告は、2度にわたって遺体を遺棄したことは認めましたが、殺人や死体損壊については否認していました。

検察側は「植木さんとトラブルがあり、コンクリートブロックで顔を複数回殴って殺害した。すべて一人で行い、殺意があった」などと指摘。一方、弁護側は、「渡部被告が親族の家に行くと、見知らぬ男がブロックのようなもので、植木さんの顔などを繰り返し殴っていた」などと主張していました。

4日の論告で、検察側は「被告はその時々に把握した検察側の証拠にあわせて、うそをついていると言わざるを得ない」などとと指摘。「植木さんの命を奪ったばかりか、遺体を解体し、存在そのものを消し去ろうとした、極めて悪質な犯行だ」などとして、懲役20年を求刑しました。

一方、弁護側は「骨に傷をつけず、包丁1本を使って2時間程度で解体するには相応の技巧が必要。そういった作業に無縁な被告に、可能であったとは到底考えられない」などと主張。一方で死体遺棄については有罪であるとして、執行猶予付きの判決を求めました。

判決は13日に言い渡されます。

※情報を更新しています。