仙台市にある次世代放射光施設「ナノテラス」で、世界最高レベルの性能を持つ共用ビームラインの運用が始まり、公募で選ばれた研究者が実験を行っています。

運用が始まったのはナノテラスの3本の共用ビームラインで、3日は、東北大学の研究者が、新たな材料の研究を行っていました。高い電圧を扱える半導体「パワー半導体」などへの応用が期待されるということです。

東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター 湯川龍准教授:
「このような素晴らしい研究環境の中で実験できることに、身が引き締まる思い。必ず面白い結果を出したいと思って実験に臨む」

仙台市青葉区にあるナノテラスは、強力な光=放射光で物質を原子レベルで解析できる研究施設で20024年4月に運用が始まりました。ビームライン10本のうち7本は、出資した会員企業のみが使用できます。

一方、3日から運用が始まった3本は、学術研究向けで利用者を公募して、研究課題の審査を行い、使用料を免除する代わりに、研究成果の公開を義務付けます。

ビームラインは、世界最高の性能を誇ります。初回の公募では、国の内外からあった75の応募のうち38の研究が採択され、これから半年間、順次実験が行われるということです。