“戦争を続ける”か"即時停戦”か 「そんなこと簡単に言えない」兵士の夫を失った妻は数万人に

ロシアを厳しく批判してきた、ウクライナ最高会議のゴンチャレンコ議員。

停戦交渉について…

ウクライナ最高会議 ゴンチャレンコ議員
「交渉を歓迎していますが、問題は結果がどうなるかです。安全の保証がない停戦は、和平ではありません。すぐにロシアは態勢を整え、再び我々を攻撃するでしょう。安全が最も保証されるのは(ウクライナが)NATOへ加盟することです」

戦争を続けるべきか、即時停戦すべきか…ウクライナの人々に聞いた。

キーウ市民
「私は(占領されている)南部や東部にたくさん友人がいます。彼らの目を見て『領土はもう要らない』と言えません。もちろん全ての領土を取り戻さないと」

キーウ市民
「命を救うために戦争を今すぐやめ、領土は外交で返還してもらうべきです」

世論調査では「いかなる状況においても領土放棄は認められない」と答えた人が、2022年5月には82%だったが、2024年12月には51%に下落。

「和平をすぐに実現するためには領土の一部を放棄してもいい」と答えた人が、2022年5月には10%だったが、2024年12月には38%と増えている。

3年間、死と隣り合わせで生きてきた兵士は、複雑な思いを抱えていた。

ウクライナ軍 特殊作戦部隊 指揮官
「非常に難しい問いかけです。私たちは、すでに多くのものを諦め、多くの命を犠牲にしました。領土を手放すとそれが無駄になってしまいます」

負傷し、一時戦場を離れ、家族と過ごすドミトロさんは…

負傷し戦線離脱中ドミトロさん(42)
「良き戦争よりも悪しき平和の方がマシです。夫や息子が戦場にいる家族は、『領土は要らない、男たちを家に帰せ』と言っています。政治家や戦いを望む人々は、自ら戦場に行きません」

ウクライナでは、兵士の夫を失った妻は、数万人に上ると推計されている。

夫を亡くしたアンナさん(40)
「領土を放棄したら、兵士たちは何のために命を捨てたのでしょうか。死んだ兵士たちは、絶対に納得しないでしょう。少なくとも私の夫は納得しません」

キーウで娘と暮らすレイラさん。1年前、戦場にいる夫・ボロディミルさんに妊娠を報告した。その直後、夫はロシア軍の攻撃で亡くなった。

夫を亡くしたレイラさん(25)
「もし、夫を戦場で亡くしていなかったら・・・私は『平和を望んでいる』 と言えたと思います。でも今は、そんなこと簡単に言えません」