戦友でもある妻・弓子さんとの二人三脚

1999年、イチローは弓子さんと結婚。2000年オフにマリナーズへ移籍が決まり、夫婦でともに海を渡った。

自宅でのイチロー(左)、通訳(中央)、弓子さん(右)

記者:一緒に戦ってきた奥様の拍手している姿はご覧になりましたか?

イチロー:もちろん見ました。感情としてわかりやすく表現するというのはない、そこは共通してるところなんですよね、僕と。でも、思わず出てしまうことっていうのはあるわけで。今日はまさにそうだと思うので、やっぱり彼女が喜んでる姿とか笑ってる姿っていうのは、僕の喜びでもあるので、すごくそれはうれしかったです。

記者:(弓子さんは)どんな顔をしてましたか?

イチロー:いや、そんなに細かく分析するのっておかしいでしょ、カメラの前で。それはカメラ外してすることで、おかしいよ質問として。

記者:でも、一緒に戦って勝ち得た感覚っていうのは強いですか?

イチロー:もちろんですよ。だってずっと一緒にやってきたわけですから。いろいろありましたからね。アメリカにポスティングシステムで挑戦しようというとき、それこそ近くにいる人たちも、応援してくれてないわけじゃないけど、「行っておいでよ」っていうスタンスの人もほとんどいなかったんで。その中で「私は、イチローが下した決断、それについていく」、そこだけだって言ってくれたからね。それがなかったら、そもそも始まっていないから。

翌日の午前6時、イチローの姿は空港にあった。野球殿堂博物館で行われる会見に出席するため、自宅のあるシアトルからニューヨークへ向けて、プライベートジェットに乗り込んだ。

記者:眠る時間はありました?

イチロー:2時間くらい。

記者:メッセージはいろんな人から?

イチロー:メッセージはそうね、今後これ以上はないだろうね。