オランダとの強化試合へキーマンは“二遊間”

新タアナ:今回の代表について、28人選ばれましたけど、キーマンの投手と野手を具体的に名前を一人ずつ挙げてもらうとしたらどうでしょう。

井端:ショートとセカンドの2つになっちゃうんですけど、二遊間は非常に各球団に優秀な選手がいる。長岡秀樹選手(23、ヤクルト)、吉川尚輝選手(30、巨人)、今回選んだ矢野雅哉選手(26、広島)、森敬斗選手(23、DeNA)あたりも若いですけど、飛躍できる選手かなと思ってます。貴重な右バッターの太田椋選手(24、オリックス)も、昨季途中からですけど、高打率を残してますので、パンチ力もあるところでは楽しみにしてます。

新タアナ:ショートは本当に魅力的な選手が多いなと思って。矢野選手は野性味あふれるプレーをしますが、どう見てました?

井端:昨季は途中から打率を上げてきて、.260で終えた。どちらかというと、ちょっと当てる方からしっかり振り切れるようにもなってきてましたし、この春のキャンプを見ても、何となく本人もレギュラーの風格が出てきたなっていうところでは、伸びる時って一気に伸びると思うので。昨年をいいように自信を持って今シーズン臨んでくれたら更に良い矢野選手を見せてくれるのかなと思ってます。

新タアナ:矢野選手の守備はどう見てました?

井端:ある程度打ち取った打球を捕るところもできますし、難しいのも捕ってくれるところでは、日本のピンチを救うプレーも期待できるなって思ってます。

新タアナ:そういう意味で森敬斗選手は、メジャー選手並みの肩の強さ。

井端:入ってきた時から能力が高い選手なので、打つ方も守る方も、実戦も積んでいければ良い選手になるのかなと思ってます。

新タアナ:代表コーチに入ってからずっと森選手のこと言ってましたもんね。将来的に入ってきてもらわないと困るんじゃないんですか?

井端:そうですね。やっぱりスピードもありますし、矢野選手と似て頭じゃなく体が反応する選手なのかなと思ってますので。それは非常に大事ですし、自分が出来なかったところという意味では凄いなと思って見てます。

新タアナ:1年後のWBCの選出に当たって、選手に一番求めるものは何ですか?どこを重視して、今回の試合だったり今シーズンを見ていったりするのか。

井端:一番は「このユニフォームを着たい」っていうことが大前提ですよね。やっぱりその思いがなければあんなプレッシャーの中で戦うことはできないのかなと思ってますので。まずこの代表に入って「優勝する、勝つ」っていう気持ちで来てほしいと思いますね。今年1年、頭のどこかでもいいんで、WBCを意識して1シーズン過ごしてもらえたらいいなと思ってます。

新タアナ:正捕手争いも激しいですね。プレミア12で見られなかった岸田行倫選手(28、巨人)、山本祐大選手(26、DeNA)を今回呼んでいると思うんですけど。

井端:山本選手は伸びてきてましてね。昨年はバッティングでも貢献して粘り強いし、チャンスにも強いところ。あと、彼はピッチャー主導で投げさせられるキャッチャーかなと思いますので。肩も強いですし、本当に期待はしてます。

新タアナ:そして今回、WBCを経験したのが宮城大弥選手(23、オリックス)だけですけど、選出した理由は?

井端:昨年の途中に怪我で離れたのがあったのと、当然プレミアに入ってきてほしいとは思ってました。怪我もあったので、もう一回見てみてっていうのと、ゆっくり会話もしたいっていうのも。今回先発してもらいますけども、緩急つけられるところと制球の良さは、日本でも屈指のピッチャーかなと思ってます。

新タアナ:前回のWBCが終わった時に、「宮城・戸郷翔征(24、巨人)・高橋宏斗(22、中日)は次のWBCで柱になってもらうんだ」と話していましたが。

井端:レギュラーシーズンは先発でやってますので、当然次は、WBCでの先発を目指してほしいなと思ってます。投げられるピッチャーだと思ってますので、先発争いでメジャーの選手と、その3人の投手は競争してほしいなと思ってます。

新タアナ:戸郷選手はプレミア12の決勝でいい経験をしたって評価しますか?

井端:戸郷選手は昨季レギュラーシーズン最後まで投げてましたし。大会は違うけど、プレミア12という舞台の決勝で先発のマウンドに立てたっていうところでは、次に生かしてもらえるんじゃないかなと思ってます。

新タアナ:色々な選手達の思いもあったと思いますし、監督の非常に悔しい思いもありながらWBCに向かっていきますけど、3月から始まる強化試合、秋の強化試合、そして本戦に向けて強い意気込みをいただいてもよろしいでしょうか?

井端:私個人としては、もう1年しかないって思ってますけど、選手にとっては、まだ1年あるんで、今回呼ばれなかった選手以外も十分可能性はあると思ってます。日本のプロ野球全選手がチャンスだと思って、今年1年やってもらって、いいメンバーを来年のWBCの時に選んで、優勝できるようにやっていきたいと思います。

新タアナ:プレッシャーも強いと思いますが。

井端:もうやるしかないんで。昨年の負けで「もうやるしかない」としか思ってないんで、守る自分はなくなったのかなと思います。怖いものなしで行こうかなと思ってます。