10月10日にウクライナの首都キーウで複数の爆発がありました。死傷者が出ているとの情報もあります。ウクライナをめぐっては、10月8日にロシアが一方的に併合した南部のクリミアとロシア本土を結ぶ橋で爆発が起き橋の一部が崩落しました。プーチン大統領は「ウクライナの情報機関によるテロ攻撃だ」と主張していました。

 産経新聞の元モスクワ支局長で大和大学の佐々木正明教授は「クリミア橋への報復による攻撃の可能性がある。大きな局面に差し掛かっている」と話しています。また、クリミア橋の爆発について、佐々木教授は「越えてはいけない一線を越えてきた。劣勢が続く戦況の中で、ロシアのプーチン大統領は核の脅しを出してくる可能性がある」と指摘します。

キーウで複数回の爆発 クリミア橋爆発の報復か


――10月10日にウクライナの首都・キーウで複数回の爆発が確認されました。どんなことが想定されていますでしょうか?
「キーウで数回攻撃があったと伝えられています。大統領府に近い所でも爆発があったと伝えられています。今後も複数回の攻撃があるかもしれません」

――クリミア半島とロシア本土を繋ぐ、全長約19kmのクリミア橋が10月8日に爆破されました。ロシアにはどういった影響がありますでしょうか?
「ここはとても海流が早いところで、クリミア半島併合後、ロシアにとっては陸の孤島になりましたのでどうしても輸送路が必要であった。そこでプーチン大統領がクリミア併合の象徴として37億ドルをかけてつくりました。注目されるのは鉄道の線路や、自動車専用の道路もあることです。あと、送電網やガスパイプラインも通っています。また、クリミアだけではなく、南部のザポリージャ、ヘルソンへの大事な輸送路になっていましたので、ここが狙われるのは大きな打撃だと思います」