鉄道工事の人材育成を強化するため実際と同じ規格の線路などが設置された研修センターが宮城県名取市に完成し、竣工式が行われました。
鉄道工事について学ぶ研修施設としては東北最大規模となります。
名取市下増田の防災集団移転跡地に建設された仙建総合研修センターの竣工式には関係者33人が出席し、神事で完成を祝いました。

この施設は、鉄道網の整備や工事を行う仙建工業が社員に高度な点検・メンテナンス技術を習得させることを目的に仙台市内にあった研修センターを移築したものです。

4万8千平方メートルの敷地内には鉄道工事の実習ができるように、在来線と新幹線の線路がそれぞれ実際と同じ規格で敷設されています。

また、トンネルなどの構造物や駅ホームといった施設も配置されているため実践形式の研修をすることができます。

鉄道工事の技術向上を図る研修施設としては東北最大となります。
仙建工業 中村知久社長
「今まで在来線などは、JRの線路など鉄道事業者の線路を一時的に借りて仕事をして合わせて育成していたので、夜間や列車のない時間しかできないが、ここは24時間好きなだけ理解できるまで勉強できる。この場所を技術を身に着けてより効率的で、若い人がどんどん好んでくる研修場所にしたい」

山田司郎 名取市長
「空港に隣接しているということで、名取市は臨空拠点としての土地活用を図っている、その第1号として仙建工業の総合研修センターができたということで大変嬉しく思っている。臨空拠点としての土地活用に弾みがつくのではないかと思っている」

後藤舜キャスター
「このセンターでは整備技術の向上を目指すだけでなく、過去の事故を振り返り、安全の重要性を再確認する施設も設けられています」

研修実習棟のなかにある「事故に学ぶ館」は過去に起きた事故の状況や対策を鉄道事故の実物展示などを用いて伝える場所で安全意識の向上を図ります。

仙建総合研修センターは2025年4月から供用が始まり、新入社員17人が研修することになっています。