音の出るボールや声を頼りにプレーするブラインドサッカー。先月、県内で初めて子ども向けのチームが発足しました。ブラインドサッカーを通して、視覚に障害のある子どもたちが思い切り体を動かす機会を作りたいと奮闘する男性を取材しました。

アイマスクをつけて、音を頼りにプレーするブラインドサッカー。4人のフィールドプレイヤーと、目の見えるゴールキーパー1人の5人で構成されています。ボールは、転がると音が出る構造でパラリンピックの正式種目です。



県内唯一のブラインドサッカーチーム「琉球Agachi」。代表の屋良景斗さんは、
自身も目に障がいがあります。沖縄盲学校の教員を務めるかたわら、ブラインドサッカーの普及活動を行っています。

「琉球Agachi」では、視覚に障がいのある子どもたちが思い切り体を動かす機会を作りたいと先月、小学生向けのチーム「アガチワラバーズ」を結成。メンバーは、沖縄盲学校小学部の子どもたちです。



▼アガチワラバーズ 山内曖芦さん
「思う存分、走れるのがすごく楽しい」
▼照屋貴奈ディレクター
「普段、思い切り走るのは難しい?」
▼アガチワラバーズ 山内曖芦さん
「ぶつからないか恐怖心がある」
▼曖芦さんの母 ルミ子さん
「ブラインドサッカーをするまでは体を動かすのがあまり好きじゃなかったんですが、ブラインドサッカーを1回体験してからは、自分でなわとびやフラフープをして、運動をするようになってきた。なかなか体を動かす機会が少ないので、今回の体験がとても良いきっかけになったと思います」



「ボイ(Voy)」と声をかけながら走る子どもたち。「ボイ(Voy)」とはスペイン語で「行く」という意味で、自分の存在を知らせながら、危険な衝突を避けます。

▼琉球Agachi 屋良景斗代表
「まずはボールを押さえておくから、足を乗せてごらん」
▼アガチワラバーズ 山内曖芦さん
「めっちゃ転ぶ」
▼琉球Agachi 屋良景斗代表
「この時に、手で支えるから手を貸して」

左右の足の入れ替えやボールタッチの仕方は触りながら覚えていきます。

ブラインドサッカーは体を鍛える以外に、日常生活にもプラスの影響があります。
言葉や音で、的確な指示を伝えるトレーニングにもなっているのです。