体重が増えることへの恐れから、食事の量を極端に制限する拒食症や大量の食べ物を詰め込むように食べてしまう過食症などの「摂食障害」と同時に発症することが目立つ「クレプトマニア=窃盗症」についての特集。
食べ物の万引きを繰り返し、医療刑務所で「摂食障害」と「窃盗症」の治療を受ける女性受刑者の姿を取材しました。

94人の受刑者(25年1月末時点)を収容している「北九州医療刑務所」。
「統合失調症」や「摂食障害」など精神疾患と診断された受刑者が、塀の中で生活しています。

「摂食障害」のためこの医療刑務所に収容されているのは8人ですべて女性です。

8人の女性受刑者たちは、紙袋の製作などの刑務作業と並行して医師の治療も受けています。

窃盗罪で服役中・40代女性受刑者
「嫌なことがあれば食べては吐いてを繰り返す人生を送って、窃盗しては刑務所に入る感じで人生送ってきて」
「食べて吐いて、その時にその気持ちを紛らわせる、すっきりさせて、その時はそれで終わって、何かあると食べて吐くという感じ」
母親からの虐待をきっかけに20歳のころからたくさん食べては吐く「過食嘔吐」を繰り返すようになった40代の女性受刑者。
20代から吐くための食べ物を盗むようになり、次第に万引きという行為そのものに達成感を覚え始めました。
窃盗罪で服役中・40代女性受刑者
「食べて吐くものに何でお金を払う必要が・・・必要ないんじゃないかという考えがあって、物をとったことで、自分ができたという喜びといったらおかしいですけど、そのすっきりもあるし、できたという喜びを感じられる」
「クレプトマニア(窃盗症)という病名をつけられたんですよね。それでも私は違う、病気じゃないんだという感じで」