自動車グループ世界3位を目指したホンダと日産による歴史的な経営統合は、わずか1か月半で破談となった。両社は、今後どのような道を進み始めるのか。限られた選択肢の中からベストな道を選ぶことはできるのか。
ホンダ・日産 統合破談の背景は 日産・内田社長には厳しい声も…

破談から一週間あまり。神奈川県横須賀市にある日産の追浜工場では「ホンダの言っていた通りスピーディーに成し遂げておけばよかった」「日産のブランドが好きで日産に入ったのでブランドを残してほしい」「最初にホンダが言ったような持ち株会社に2社がぶら下がる形がいい」取材に応じてくれた日産の社員からは経営統合の破談を惜しむ声が聞かれた。

ホンダ 三部敏宏社長:
経営統合実現に踏み出すことができなかったのは、大変に残念。

日産自動車 内田誠社長:
我々にとって自主性はどこまで守られるのか。私たちは最後まで確信を持つに至らず、この提案を受け入れることはできなかった。
経営統合に向けた協議では、ホンダが示した「100%子会社化」案に日産が強く反発。統合案が白紙となった。
取材を続ける経済部の梅田記者は…

TBS経済部 梅田翔太郎記者:
なぜ破談になってしまったか端的に言えば、ホンダはスピード感を求めるがゆえに焦り過ぎてしまった。日産は日産で、会社の構造が硬直化していて、物事をすぐ決められなかった。
双方に取ってもやはり会社の体質として合わなかった部分もあってうまくいかなかった。
経営統合の再交渉の可能性については…
TBS経済部 梅田翔太郎記者:
(ホンダと日産が)今すぐにもう1回、交渉のテーブルにつくのは難しい。ないと両社の幹部がはっきり言っている。鴻海や自動車会社のテスラが組むという話が日産に対して下りてきていたりする中で、この2社とも日産がうまくいくかどうかは、まだわからないないというのが、正直なところ。その上でいろいろ調整してうまくいかなかった結果、またホンダと話し合いを始める可能性はゼロじゃないなと思っている。
また、日産・内田社長の進退については、厳しい声が上がっていると言う。
TBS経済部 梅田翔太郎記者:
社内では経営統合をまとめられなかったことや、日産の今の経営状況の悪化という観点で、内田社長に対する辞任を求める声っていうのが、社内からも社外からも高まっているのが現状。日産は4月に経営体制の刷新を行う予定。そこに内田社長自らが入ってくるのかというのも一つのポイントだと思っている。