中国国防省の報道官はオーストラリア近くの公海上で中国軍が行った軍事演習について、オーストラリア政府が懸念を表明したことに対し、「意図的に事実を誇張している」と反論しました。

ロイター通信によりますと、中国軍は21日からオーストラリアとニュージーランドの間の公海上で実弾の発射を伴う軍事演習を行っていて、民間航空機が急遽、飛行ルートの変更を余儀なくされたということです。

オーストラリアのマールズ国防相は「中国側の通告が直前であり、納得いくものではなかった」と非難しています。

これについて中国国防省の呉謙報道官は23日、「訓練は公海上で行っており、国際法にのっとったものだ」とするコメントを発表、「事前に繰り返し通告していた」と主張しました。そのうえで「オーストラリア側が根拠のない非難を展開し、意図的に事実を誇張していることに強い不満を表明する」と反論しています。

中国とオーストラリアの間では、今月11日に南シナ海でパトロールを行っていたオーストラリア軍のP-8A哨戒機の至近距離で、中国軍の戦闘機、殲16が「照明弾」を投下したことをめぐり非難の応酬が繰り広げられるなど対立が深まっています。