福島県内で長く愛されている老舗にスポットを当てる「老舗物語」。
縞柄が特徴的な会津の伝統産業「会津木綿」。およそ400年の歴史があり、いまではその生地を使い、シャツやカバンなど、様々な製品が作られ、海外でも注目が集まっています。
--山崎ナナさん(会津木綿工場 はらっぱ)「会津木綿ってもともと野良着なんですね。なので、そこそこ丈夫じゃなくちゃいけない、けど乾きも早くなくちゃいけないんですよ。そこにみんな使ってみたいみたいな感じで、一回使うと“凄い使いやすい!”。」
会津若松市で、会津木綿の製造などを行う会社「はらっぱ」の代表でデザイナーの山崎ナナさん。熊本出身で、現在はアメリカと福島を行き来しながら、会津木綿の生地や製品を製造・販売しています。
織りには、100年以上前に発明された自動織機がいまも使われていて、これにより会津木綿独特の風合いが生まれるといいます。
--山崎さん「ガンガン織ってるようだけど実は優しくて、生地の間に隙間があって、隙間が程よく洗った後に締まることで、会津木綿らしさ、保温力、通気性というのが発生する。」
こうした質の高い会津木綿を作る「はらっぱ」ですが、実はある老舗の歴史を継承し、新たに立ち上げられた会社です。
元々工場は、明治32年、1899年に「原山織物工場」として創業し、糸の染めから織りまでを自分たちで行いながら、長年、会津木綿を作り続けてきました。しかし、2014年、当時の社長が亡くなり、工場閉鎖の危機が訪れました。