色恋営業のターゲットとされ搾取された
弁護側は、Aさんが孤立し、交際相手から搾取を受けていたことや、本人や周囲も気づいていなかった障害特性があったことなどを説明しました。
Aさんは、子どもの頃から、片付けができない、金遣いが荒い、約束を守らないといったことから、兄や妹と扱いに差を感じていたといいいます。
実家を出て、高松で風俗業で働くようになってからは、稼ぎのいい風俗嬢を食い物にしようとする交際相手2人から、搾取を受けました。
恋愛感情があるふりをして、自分の勤める店で金銭を使うように仕向ける、いわゆる「色恋営業」のターゲットとされたのです。
Aさんは、交際相手から携帯電話の契約を解約させられ、住民票が削除され、健康保険もない状況のまま過ごしていたといいます。
弁護側は、殺害を決意した背景には、社会的に孤立していたことや脳機能障害に基づく神経発達症を生まれもっていたため、諦めやすさ、短絡さ、経験から学ぶことの苦手さがあったと主張しました。
Aさんは、なぜ妊娠・出産、遺棄を繰り返したのか。
【後編】では、精神科医の見解、判決などをまとめます。