アメリカのトランプ政権は、アメリカの輸入品に高い関税を課している国などに同様の関税を課す「相互関税」を導入すると正式に表明しました。日本も対象となる可能性が出ています。

アメリカ トランプ大統領
「公平性を保つため、私は『相互関税』を課していくことを決めた。他の国がアメリカに課しているのと同じだけ、我々も関税を課す」

「相互関税」を導入するための命令書に署名したトランプ大統領。アメリカに比べ、高い関税を課しているEUやインドなどが主に念頭にあり、今後、国ごとに調査し、どんな品目に関税を課すかなどを決めるとしています。

例えば、自動車の関税ではEUが10%を課している一方、アメリカは2.5%で、トランプ氏はたびたび「不公平だ」と指摘してきました。そのため、EUから輸入する自動車への関税を同じ10%に合わせることなどが検討されるとみられています。

アメリカ ラトニック商務長官候補
「相互関税はフェアなものだ。これまでの世界の貿易は残酷で不公平なものだった」

この「相互関税」、日本も標的になる可能性が。アメリカ政府高官は、日本について「関税は低い」としつつも「構造的な障壁が高い」国だと名指ししています。

問題視しているのは「非関税障壁」。工業製品の安全基準など、「関税以外の規制やルール」がアメリカからの輸出の「障壁」になっているというのです。

専門家はこう指摘します。

丸紅米国会社 井上祐介 ワシントン事務所長
「様々な規制・補助金・許認可、(アメリカとの)商習慣の違い、為替レートや税制といった幅広いものが『非関税障壁』として調査される見通し」

トランプ政権は、早ければ4月にも「相互関税」を発動するとしていて、関税をちらつかせながら各国に市場開放などの圧力をかける構えです。

「相互関税」を導入するとの発表を受け、日本政府は。

林芳正 官房長官
「本件発表を受けまして、すでに米側と意思疎通を開始しております」

首脳会談で結束をアピールしたばかりの石破総理ですが、関税をめぐってトランプ大統領と「ディール」は成立するのでしょうか。