冬に吹きやすい強い西風が、宮城周辺で航空機の運航に影響を及ぼす乱気流を引き起こすことがあります。大きな事故にもつながりかねないこの乱気流の正確な予測を目指そうと、東北大学の研究者が観測を始めました。

東北大学 伊藤純至 准教授:
「気圧、温度、雨量も、あと風ですね、それがすべて測れます」

1月、東北大学で気象学を研究する伊藤純至准教授のグループが、宮城県蔵王町に気象観測装置を設置していました。

星野誠 気象予報士:
「伊藤准教授がとらえようとしているのは、この蔵王町周辺で強まる西風に伴う、山岳波と呼ばれる現象です」

山岳波とは、強い風が山脈を越えた時に山の風下側に発生する空気の波のことです。宮城県は奥羽山脈の東側にあるため、山岳波は西風が強まる冬に発生しやすくなります。

伊藤准教授が山岳波の研究を始めるきっかけとなったのは、5年前のある事故でした。