愛媛県が発注した公共工事を巡る官製談合で、県の課長や業者の男ら4人が逮捕された事件。警察は4人の身柄を検察に送るなど捜査を本格化させています。

愛媛県が発注した公共工事を巡り、非公表の価格を漏らした官製談合防止法違反などの疑いで、県中予地方局建設部河川砂防課課長の鈴木俊博容疑者(58)や
久万高原町にある久保建設の社長・久保陽生容疑者(61)と従業員の大西聖容疑者(42)、それに県のOBで会社員の宮崎裕文容疑者(61)の4人が逮捕され、13日、松山地検に身柄が送られました。

舞台となったのは、県が去年2月に入札を行った、久万高原町にある急傾斜地の崩壊対策工事です。

調べによりますと、鈴木容疑者が当時、同僚だった宮崎容疑者に非公表の価格を漏らし、それを聞いた久保建設従業員の大西容疑者が社長の久保容疑者に伝え、工事を落札した疑いが持たれています。

警察は4人の認否を明らかにしていません。

鈴木容疑者は当時、県久万高原土木事務所の建設課長で、入札価格に関する情報を知る立場にいたということです。

警察は鈴木容疑者へ対価が支払われた可能性や、他に不正に関わった人物がいないかなど事件のいきさつを詳しく調べています。

鈴木容疑者の逮捕を受け、県は13日朝、局長級以上の幹部職員を集めて菅副知事が訓示を行い、再発防止を指示しました。

(菅規行副知事)
「不祥事の再発防止と県民の県政に対する信頼回復に、ここにいる幹部職員全員が先頭に立って全力で取り組んでいく必要がありますので、くれぐれもよろしくお願いいたします」

鈴木容疑者は、逮捕前まで松山城の城山で発生した土砂災害の対応など職務に取り組んでいました。

1989年の入庁以来、土木畑を歩み、勤務態度も問題無かったという鈴木容疑者。一体、何があったのでしょうか?

一方、久保容疑者の知人は…

(久保容疑者の知人)
「気分がいい反面光も強く暗闇もある感じで、裏表が激しかったでしょうね。だから悪いこともしてる感じですかね」

また、急成長した会社にも、疑問を抱いていたと話します。

(久保容疑者の知人)
「(愛媛県職員の)宮崎容疑者が(担当に)就任してぐらいからですかね。久保建設に関しては急成長した会社ですから、何かならないと大きくならないとは…皆不思議がっていたと思う」

警察は今後、捜査を本格化させ、事件の全容解明を進める方針です。