自供通りに遺体が
警察は小原容疑者が愛人に与えた金の出所などを追及したところ、小原容疑者は犯行を自供。吉展ちゃんを誘拐した当日の夜に殺害し、荒川区南千住の円通寺境内に遺体を遺棄したと述べました。

7月5日、かけつけた父親の前で、警察は同寺院の敷地を掘り返したところ、境内で白骨化した吉展ちゃんの遺体を発見したのです。

動機は借金など。2年3か月ぶりの事件解決でした。
吉展ちゃん地蔵尊が今も
吉展ちゃんの葬儀は報道陣などの注目を浴びる中、大規模かつしめやかに執り行われました。小原保被告は1968年に死刑判決を受け、1971年に刑が執行されました。彼は獄中で短歌を詠むなどの活動を行っていましたが、最終的には法の裁きを受けることとなりました。

発見現場となった寺院と、そのほど近く、吉展ちゃんの菩提寺には今も「吉展地蔵尊」がたたずんでいます。
この時期、誘拐事件は年間に50件を数えるほどにメジャーな犯罪でした。しかし身代金誘拐事件の犯人が捕まらなかったことはただの1件もありません。

事件の影響は今も
この事件は、日本で初めて報道協定が結ばれたケースとして知られています。報道協定とは、捜査への影響や犯人への刺激を考慮し、被害者やその家族のプライバシーの情報公開を制限する取り決めです。一方、犯人の声をメディアで公開し、国民からの情報提供を求める手法は、後の捜査にも影響を与えました。事件は今も犯罪捜査や報道倫理を問う事件として社会に影響を与え続けているのです。