鉄筋コンクリートで造られた埋め立て地は、中の水を外に漏らさない遮水構造になっています。
安和エコパーク 伊良部誠也総務部長
「埋立地の中に被覆施設と言って屋根というんですかね。屋根がかかっているクローズドタイプの最終処分場になっているというのが一番の特徴になっています。そうすることでゴミから出てくる臭いですとか、あるいは埋め立てる時に発生する粉塵ですとか騒音ですとか、そういったものがあまり外に出て行かないようになって、周辺への環境に非常に配慮した施設ということが特徴だと思います」
この大きな処理場の施設を開放して行われたのが、地元名護市立安和小学校の4年生を招いて開かれた出前授業。廃棄物処理の過程を学びながら、身近なごみ問題から地球環境まで考えていきます。キーワードは「4R(よんあーる)」です。

「4Rってなんだろうって思いますよね。リフューズ・リディース・リユース・リサイクル。この4つの英語の頭文字Rですね。これを取って4Rって言ってます」
これまでの3R(さんあーる)に、ゴミになる物は断る、買わないというリフューズを加えた4Rはいろんな場所で実践されています。講座では映像を通してフィリピンのアポ島での事例を紹介。
県産業資源循環協会 名嘉貞治青年部副会長
「みんなで考えて、みんなで分別して、みんなでガマン強く根気強く、環境にそしてリサイクルして行こうという思いで成功しています、ゴミゼロがです」
島民の努力によってゴミゼロを達成した一方で、動画では、島の外から来たゴミで海の生き物が犠牲になっていて、この島だけで4Rを実践しても限界があり、世界全体で取り組む必要がある事も訴えています。

児童
「ゴミを減らしていっても他の国と力を合わせないと生き物が死んでいく、一つの事をするだけで綺麗になるんだと思った」
「海にゴミを捨てている人を見つけたら、海にゴミ捨てちゃだめだよって伝えたい」
講義を終え安和エコパークの施設見学へ。供用開始から2年半。4つある埋め立て地の一つはすでに、およそ1万5千トンのゴミで埋まっています。
安和エコパーク 伊良部誠也総務部長
「外にいたら臭いしてなかったと思うんだけど中に入ったら少し臭いがしたと思う
今この施設がないとこの臭いが周りに飛び散っちゃうしもれちゃう」
クローズドタイプの埋め立て施設の特徴を直接感じることが出来ました。

ゴミを安定化させるために散布された水も回収され、施設内で処理された後、名護市の下水処理場へ運ばれます。
安和小 宇良恵里奈教諭
「今日実際私もビックリしたんですけども、この最終処分場のゴミの臭いだったり、実際目にしたことで、こんなにもゴミが出てるんだって事だったり、これからまたゴミを少なくしていこうという子供たちの少しでもやる気に繋がったんじゃないかなって思います」
県産業資源循環協会 宮里翔太青年部会長
「最初はちょっと不安で、4年生と言う事で興味ない方も多いんじゃないかなという所だったんですけど、結構休み時間とかに声かけてきてくれて、これってどうなの、これってどうなのと言う事で結構いい反応がもらえて本当に今日はやってよかったなって思います」
身近なゴミ問題から、地域や地球環境の問題を考えるこうした取り組みは、SDGsの目標へとつながっています。

児童
「家では分別を頑張りたいし、学校でも分別を出来たらなと思いました」
「一つの島や国がちゃんとしてても他の国とかがちゃんとできてないから世界中のみんなが4Rとかを出来るようにした方が良いと思いました」
大きなゴミ処理の現場を見た児童たちは、それぞれの生活の中でゴミ問題を身近に感じ、自分たちの問題としてとらえ始めたようです。