先週、この冬一番の寒波に覆われた県内、各地に積雪などをもたらしましたが、そんな中、東温市内の山あいには凍り付いた滝「氷瀑」が出現しました。
温暖な愛媛に現れる氷瀑、それってレアなの?
澄み切った冷たい空気に白くそそり立つ氷と雪の壁。重信川の上流に位置する「白猪の滝」です。
「白猪の滝」の落差は96メートル、これは実に25階建てのビルに相当する高さ。
薄曇りのこの日、最低気温は久万でマイナス3.3度、松山でも0度近くまで冷え込みました。
ちなみに滝の近くに設置されていた温度計を見てみると…およそマイナス6度を指しています。
滝が凍り付くことで生まれる氷瀑。
気温のほかにも川を流れる水の量や、積雪量によっても表情は大きく変わるんだとか。
ではこの日、記者が見た「白猪の滝」は、一体どのくらいの氷瀑だったのでしょうか。
東温市役所で、観光に関係する情報などを担当する地域活力創出課を直撃!
毎週金曜に「白猪の滝」まで足を運び、その氷瀑具合を確認しているというこちらの女性職員に、映像を見てもらうことに。
(城 健大呂 記者)
「今日先ほどですね、撮ってきました。こちらなんですけども、動画です。どのぐらいの凍結具合なのか」
記者の手渡したモニター画面を…とても真剣な表情で見入る担当職員。
凍結具合をていねいに確認してくれているようです。
沈黙からおよそ16秒後、判定結果が伝えられました。
(地域活力創出課・丹生谷 美緒さん)
「8割から9割くらいが凍っていると思う」
(城)
「結構凍っていますか?」
(丹生谷さん)
「はい」
思いもよらぬ高評価が得られた記者は。
(城)
「じゃあちょっといいものが撮れた?」
(丹生谷さん)
「はい」
喜びます。
(城)
「ちなみにどの辺りが判断のポイントになる?」
(丹生谷さん)
「そうですね、滝の周り…ではなくて。真ん中に水が流れているので、まぁ『全凍結』ではないという風に判断します。しかしその水も、そんなに多くないので、まぁ8割から9割程度は凍っているんじゃないかなと思う」
ちなみに。
10割の凍結、つまり滝が全て凍った状態の氷瀑は、丹生谷さんもまだ見たことがないそうで。
(丹生谷さん)
「全然(水が)流れていないはず」
(城)
「こんなに凍ることってあるの」
(丹生谷さん)
「私も本当に見たことがない」
東温市役所に勤務して10年以上になるという別の担当職員もやってきましたが。
(城)
「凍結している滝というのを見たことがある?」
(地域活力創出課・石丸 理基さん)
「えーと…。自分はちょっと凍結したところは見たことが無い、滝自体には行ったことがあるが。やっぱりちょっとこう、道もちょっと悪くなったりするので」
実際に氷瀑を見るのは、案外容易では無いそう。
ちなみに冬場、凍り付いた白猪の滝を見ることのできる可能性はどのくらいあるものなのでしょうか。
丹生谷さんに、ことし1月の様子を見せてもらいました。
まずは17日の様子。
(丹生谷さん)
「この辺りは少し残っているが、滝自体は普通に流れている」
凍結具合は1割から2割程度とのこと。
この日、松山市内の最低気温は3.4度でした。
その翌週の24日。
(丹生谷さん)
「滝自体は全く凍っていない」
松山市内の最低気温は4.2度でした。
さらに、その翌週の31日。
(城)
「凍ってますね」
(丹生谷さん)
「現地に行くとやはり水が流れているので、まぁ(凍結具合は)7割程度」
松山市内の最低気温が0.4度と、ほぼ氷点下まで下がったこの日、氷瀑が現れたようです。
とにかく白猪の滝が凍り付いているのかどうかは、現地まで足を運んでみないと分からないそう。
狙い目は、冷え込んだ日の午前中ということで、市の担当者は、防寒と滑り止めの準備をして、見に行って欲しいと呼び掛けます。