■北海道の『心臓』と呼ばれたまち小樽を民の力で…
「日本遺産」とは、2015年度に文化庁が始めた事業です。
特徴は、「ストーリー」を認定する、ということ。地域ならではの歴史や、文化財を織り込んだ「ストーリー」を評価・認定し、観光の活性化などを目指します。
北海道内6件目の認定となった、小樽市の「ストーリー」は、「北海道の『心臓』と呼ばれたまち小樽~『民の力』で創られ蘇った北の商都~」です。
・小樽市観光振興室 津田明宏日本遺産担当主幹
「明治・大正期以降、北海道の物流拠点として小樽が発展。その後、高度経済成長期に一度は衰退の道をたどるが、そこから市民の力「民の力」により、マチを盛り上げていったストーリーが評価。そのなかでも重要なポイントが小樽運河」

明治末、たくさんの北前船が行き来し、活気にあふれていた小樽市。しかし、マチは高度経済成長の波に乗り遅れ、徐々に衰退していきました。
昭和40年代には、荒廃した運河を埋め立てて道路にする計画が持ち上がりました。そのとき、運河を守ろうと立ち上がったのが、市民たちでした。
埋め立てか、保存か。十数年に及ぶ論争の末、小樽運河は半分を道路に、さらに散策路を整備した、いまの姿に生まれ変わりました。
これが、「民の力」で歴史や文化を守り、観光都市として再生させる小樽のまちづくりの先駆けとなったのです。
・小樽市日本遺産地域プロデューサー 池田憲昭さん
「小樽が好きだから。もっと魅力を発信して、いろいろな人に知ってほしかった」