野党先導で変わる国会 「省庁別審査」で指摘の“ムダな予算”
一方で、少数与党の国会で“異変”が起きている予算審議。差配する委員長は、“野党議員”です。

立憲民主党 安住淳 予算委員長
「もう時間がないんですよ。ちょっと…小走りに、急いで来て」
野党の要求により、今国会で初めて導入された「省庁別審査」のひと幕。
「省庁別審査」とは、115兆円を超える新年度予算案の具体的な中身を省庁ごとに検証し、無駄を見つけ出す試み。
3日間で16の府省庁などと質疑を行うため、時間的余裕がないのです。
こんな場面も…

デジタル庁 楠正憲 統括官
「あの、どうしても各団体の...」
安住委員長
「歩きながら話しちゃダメ」
これまで与党多数の国会では、与党側の予算案がそのまま通りましたが、“少数与党”では、野党が指摘する問題点にも向き合わざるを得ません。
まず指摘された“ムダな予算”は、低所得世帯に3万円を給付する際の事務費。
政府は、あわせて374億円の事務経費を計上する一方で、作業を効率化するための新たなシステムに20億円をかけましたが…

立憲民主党 馬淵澄夫 議員
「いくつの自治体が(新システムを)利用しているか」
デジタル庁 楠正憲 統括官
「現時点は4団体。2月末までに15団体が利用開始する予定」
立憲民主党 馬淵澄夫 議員
「(1741のうち)4自治体ですよ、0.2%ですよ」
全国の自治体のほとんどが利用していない実態が明らかになりました。
馬淵議員は、新システムの活用を徹底させれば、400億円近い事務費の半分を削れるはずだと指摘しました。