カフェインは延命効果もある一方、寿命を縮める
カフェインは、ドーパミンを活性化させる作用があり、ヒトの気分を高揚させる働きがあること。昆虫においても、カフェインがハエを活性化させ睡眠に影響することや、ハチの学習記憶能力を向上させ、延命効果もあることが知られていました。
今回の研究では、カフェインが殺虫や害虫防除にも効果があることが分かったといいます。
実験では、カフェインを砂糖水に混ぜてヒロズキンバエの成虫に与えることで、ハエの寿命が著しく減少することを発見しました。
寿命短縮の程度は、飲ませるカフェインの量により、通常30日程度の平均寿命が、0.5%より濃い量のカフェインを飲ませると7日以内でほぼ死滅し、寿命に対する強い負の効果が判明したということです。
【画像③】は、濃度を変えたカフェインを飲ませたヒロズキンバエの寿命を示しています。濃度が高くなるほど、寿命が短くなっていることがうかがえます。

研究結果から、濃度の高いカフェインを含んだ砂糖水には、強い殺虫効果が認められ、1週間以内にすべてのハエが死にました。一方、薄い濃度のカフェインを含んだ砂糖水には殺虫効果は認められませんでした。
研究チームは、自然界にも存在するカフェインも、新しい農薬の候補と考えられるとしています。
