新米が出回れば価格が落ち着くと期待されていたコメですが、高値の状態が続いています。なぜ価格が下がらないのか、背景に何があるのか取材しました。

“消えた21万トンのコメ” 一部の集荷業者などがストックか

熊崎風斗キャスター:
コメの価格が上がり続けています。

コシヒカリの小売価格(1袋5キロ)でみると、▼2024年1月は2440円でしたが、「令和のコメ騒動」のあった▼9月ごろには3285円となりました。

新米が出て下がるとも言われていましたが、▼2025年1月には4185円と、去年1月の約1.7倍となりました。
※東京・総務省小売物価統計調査より

農水省によると、2024年の生産量は、前年より約18万トン増えています。一方で、集荷量は、前年より約21万トン減っています。

生産量は増えているのに、集荷量が減っているという状況です。

集荷量の減少について…

江藤拓 農水大臣(1月31日)
「どこかにスタックして(積み上げて)いると考えざるを得ない」

主なコメの流通では、生産者が生産をして、集荷業者が集めて、卸売業者や小売店を経て、消費者の元まで届くという流れです。

そのうち集荷業者について、中には新規参入した業者も多くいるそうで、一部の集荷業者などがコメをストックしているのではないかということです。

宇都宮大学 小川真如 助教
「農水省が調査するのは大規模な集荷業者。“消えた21万トンのコメ”が流通せず、価格が下がらない」

新規参入した規模の大きくない集荷業者までは調べきれていないという現状があるそうです。その一部の業者が、なぜストックしているのでしょうか。

宇都宮大学の小川真如助教は「より高く売れるタイミングが来るのを待っている可能性。“売り惜しみ”状態」だと話します。