「長崎原爆無縁死没者追悼祈念堂」に安置されている遺骨8962柱のうち、遺族が新たに判明した2柱が2月3日に引き渡されました。遺骨の引き渡しは19年ぶりです。

今回、遺族が判明したのは、被爆当時18歳だった田原朝代さんと、8歳だった田原靖美さんの姉弟です。2月3日、長崎市内に住む70代の遺族の男性に引き渡されました。

長崎市によりますと遺族の男性は、原爆で亡くなった親族の遺骨は「すでに引き取られている」と聞かされていました。しかし、県外にある墓を墓じまいする際、墓石に「叔母」と「叔父」の名前がある一方で、肝心の遺骨がないことに気づきました。

男性は去年7月、市が掲示している「長崎原爆無縁死没者遺骨名簿ポスター」を見て、叔母と叔父の名前に「姓」が一文字違う名前があることに気づき市に問い合わせました。

市が慎重に調査した結果、遺骨は男性の親族である可能性が極めて高いことが判明したことから、男性の意向を確認した上で今回の引き渡しが実現したということです。

男性は「まさか祈念堂に葬られていると思っていなかったので驚いた。祖母(亡くなった姉弟の母)と同じお墓に入れて弔いたい」と話しているということです。

長崎市岡町にある「原子爆弾無縁死没者追悼祈念堂」には原子爆弾によって亡くなった身元や氏名不詳の遺骨、氏名がわかっていても一家全滅などで引き取り手がない原爆無縁死没者の遺骨8,962柱が安置されています。うち氏名が分かっている遺骨は120柱で遺族へ引き渡されたのは平成18年度(2006年度)以来、19年ぶりです。

長崎市は1990年度から、全国の都道府県約2,100カ所に「長崎原爆無縁死没者遺骨」の名簿ポスターを送付し、掲示を依頼してきました。1柱でも多く遺族の元へ返すことを目指し、調査を続けています。(※引き渡された遺骨の氏名は、姓が1字異なることが判明しましたが、名簿記載の名称をそのまま記載しています)