熊本県立劇場に新しいピアノが42年ぶりにやってきました。価格は約3800万円、そのピアノが力を発揮するまでには、4か月にわたる準備がありました。
2月2日、世界的ピアニスト金子三勇士(かねこ みゆじ)さんのコンサートでデビューを迎えた「スタインウェイ」のピアノ。満員の観客の前でどんな音を響かせるのでしょうか。

デビュー直前 新旧の音色を比べてみた
コンサートの3日前、ピアノはステージで出番を待っていました。前のピアノは購入から42年が経ち老朽化したため、去年(2024年)9月に県立劇場にやってきました。
同じ型の前のピアノは約1300万円でしたが、新しいピアノは3800万円以上です。

熊本県立劇場 金子千佳子さん「このご時世、物価高騰もあり部品の価格高騰。大事に育てていきたい」
新しいピアノと古くなったピアノ、音にはどんな違いがあるのか比べてみます。新旧のピアノを並べ、プロのピアニスト、米澤朝美(よねざわ ともみ)さんに弾いてもらいました。
ピアニスト 米澤朝美さん「(新しいピアノは)響きが美しい。細やかなタッチをちゃんと感知してくれる」

一方、古いピアノは味わいはありますが、強い音、長時間の演奏には耐えられないといいます。
米澤さん「若さというか、体力というか年齢を重ねているので。ちょっと難しい。ひずみが出てくる」
こうして世代交代することになった新しいピアノですが、熊本に来た当初から響きが美しかった訳ではありません。