今年は戦後80年です。人類史上最悪の犯罪と言われるナチス・ドイツによるホロコースト=ユダヤ人大虐殺。加害国ドイツでは「繰り返さないための教育」が続けられていますが、今、難しい問題に直面しています。
今回、私たちはドイツ・ベルリン郊外にある教育施設を訪れました。この日、高校生らが受けていたのはナチス・ドイツが行ったユダヤ人大虐殺について学ぶ「ホロコースト教育」です。
ホロコースト研究者 ミヒャエル・ヴァッハホルツさん
「なぜ、この写真が教材として、よく使われるのか分かりますか?」
高校生
「収容された人がカメラを見ていて、その視線が私たちに直接訴えかけてくるように感じられるからです」
ホロコースト研究者 ミヒャエル・ヴァッハホルツさん
「その通りですね。これは殺害される直前の写真で、当時は撮影すること自体が厳しく禁じられていました」
「ホロコースト教育」は、加害国として「過去を繰り返さないために」と続けられてきました。しかし、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆が始まると、被害者だったユダヤ人が「虐殺の加害者になった」と批判されるようになり、過去とどう向き合えばいいのか難しくなったといいます。
セミナーに参加した マヤ・ゾバラさん
「とても難しい問題で答えが分かりません。ただ一般的に戦争は良くないと言えるだけです。罪のない人が苦しむべきではないと思います」
一方で、教える側も複雑な問題を抱えています。
引率の歴史教師 マティアス・ムシェッリックさん
「ドイツ人ではない移民系の生徒は、ホロコーストの歴史を自分のことのようには感じません。ドイツ人の生徒は、私たちには責任があると言います。でもみんながそうではないので難しいです」
ドイツでは移民社会化が進み、ナチスが犯した罪を自分たちの歴史と捉えにくくなっているのです。
「生き残った多くのユダヤ人が、なぜ元の家に戻らなかったのかも話す?」
生徒たちはグループに分かれて、ユダヤ人が当時直面した厳しい現実について学んでいました。
イランにルーツを持つ ローゼ・ファラマルツィさん
「研究テーマは生き延びたユダヤ人が、元の家に戻ると全てを失っていたという問題です。財産とみなされたものは売られてしまい、奪われたのです」
歴史を繰り返さないために、どう伝えていけばいいのか?
イランにルーツを持つ ローゼ・ファラマルツィさん
「当時のことを理解できたし、忘れることのない出来事として捉えることができました。私たちはホロコースト自体への責任はないが、繰り返さない責任はあると思います」
加害国ドイツでは歴史を伝えていくための試行錯誤が続いています。
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