クラブ創設20年目にして初のJ1昇格を果たしたファジアーノ岡山。来月15日に開幕するシーズンに向け宮崎キャンプを行っています。未来を占う重要な2週間・・その前半を取材しました。

“ベースの底上げ”と“新戦力との融合”を

J1元年。赤く照らされた宮崎の朝がクラブを出迎えました。今月19日、新生ファジアーノ岡山が勝負の2週間をスタートさせました。

(小寺真生記者)「ファジアーノ岡山のキャンプが始まりました。選手たちからはファジらしい闘争心が感じ取れます。去年の戦力に新戦力が融合できるか、大事な大事な2週間です」

J1昇格の立役者たちがほとんど残留したファジアーノ。12人の新戦力が加わり初日からフルスロットルで練習を行いました。

(木山隆之監督)
「俺らJ1で簡単に失点しているようじゃ絶対生き残っていけないから。一日でも早く自分たちを高いレベルに。J1レベルにもっていかないといけない。もっと意識高くして」

クラブの代名詞でもある「ハードワーク」と「献身的なプレー」。岡山一筋でファジサッカーを体現してきたこの男も、J1仕様へエンジンを積み直しました。

(Qひげが生えてきましたね。武者修行みたいな感じですか?)
(MF27木村太哉(26))
「そんな意味合いも込めてもいいのかなと思って、伸ばしてキャンプで過ごしています」
「泥臭くハードワークしてアグレッシブに全力で戦う」
「僕らのやることは変わらないのでいままで、積み上げてきたものをアップデートしていく必要はある」

去年J2で圧倒的な守備力を示したファジアーノ。より強固なディフェンス組織へ、ハイレベルな攻撃を想定した実践練習を積み重ねています。

(DF18田上大地(31))
「昨年の守備をベースにJ1で実績のある、経験のある選手がプラスα入って来てくれたので、また競争しながら一人一人が成長してより強固な守備を築けるんではないかなと思います」

(DF2立田悠悟(26)元日本代表・柏レイソルから加入)
「自分の中でファジアーノ岡山のサッカーを落とし込んでいくのとプラスで、プラスに働く声掛けだったり、プレーで後ろからチームを支えられるようにしていきたいと思います」

クラブが積み上げてきた「ベースの底上げ」と「新戦力との融合」がキャンプの鍵。注目は、元日本代表の江坂任です。J1で通算42ゴールを上げ、去年までの2年間、韓国の強豪蔚山でリーグ連覇に貢献。実力者の加入で、チームの雰囲気も引き締まりました。

「ここに、ここに!」
(MF8江坂任(32))
「練習からのクオリティーだったりこだわる部分というところはワンランクツーランク上げていかないと難しいと思うので、要求しながら、日本で韓国で成長した部分とミックスしながら活躍できればなと思います」

更に若き才能もチームに新しい色を加えています。U-20日本代表の佐藤龍之介です。キャンプでは、本職以外のポジションも器用にこなし、サッカーIQの高さを魅せています。

(MF39佐藤龍之介(18))
「自分にしかない良さだったり他の選手が持ってないところも自分は持っている。J1の高い相手のレベルの中で技術だったり意外性のあるパスだったりは通用すると思っているので、積極的に自信持ってプレーしたい」

強力な戦力の加入で激化するメンバー争い。新旧戦力が凌ぎを削り、緊張感のあるキャンプが続きます。注目はFWの後ろ、2列目に位置するシャドーのポジションです。2つの枠に、江坂、岩渕、木村、佐藤などエース候補が集まります。

(MF19岩渕弘人(27)昨季チーム得点王)
「決してうまいとも、強いとも思っていないので、そういったところも頑張らないと試合にも出られないと思っているので、結果を出す以外にもチームのために走る部分というのは自分の良さなので、出していかないといけないと思っている」

そして、このキャンプで一際コンディションの良さを見せているのが、FWのルカオ。フィジカルの強さに磨きがかかっています。

(FW99ルカオ)
「練習はきつい。2部練習の時はかなり疲れている。でも僕にとって今は1年間通して頑張る時期だと思うので、チーム全体が成長できるように頑張って行きたいです。たくさんゴール決める。バモス!」