「見ると幸せになる」といわれる黄色い新幹線「ドクターイエロー」。JR東海の車両は1月29日がラストランでした。最後の雄姿を一目見ようと沿線の各地に多くの人が集まりました。

Q. どんなでしたか?
「すごい幸せだった。こんなにね、ハッツハッツハッ」
「かっこよかった。黄色が好きだからかわいかった」

ドクターイエローは東海道・山陽新幹線の線路や架線に異常がないか走って検査するいわば“新幹線のお医者さん”。1月28日は東京から西へ向かう検測が行われました。

<社会部 大西晴季記者>
「JR東静岡駅の南北自由通路です。こちらには親子連れがドクターイエローが来るのを今か今かと待っています」

偶然、居合わせた人を含めると約30人がドクターイエローの走りを見届けました。茶畑を背景に新幹線の走りを撮影できる静岡県菊川市内のスポットです。

20年ほど前からドクターイエローなどの電車を追いかけている男性は撮影が「生きがい」だと話します。

「1月で最後ということでドクターイエローを撮りに来た。自分なりの楽しみ。家族に時々見せて評価してもらって、おじいちゃん全然だめだねとか言われるけど、楽しみにやっています」

小学生の時に見たドクターイエローの姿が衝撃的だったと話す人もいました。

「小学校からよくドクターイエロー見えたもんですから、それがきょうが最後、T4という編成が最後ということだったのできました」

ドクターイエローは約10日に1度東京~博多間を往復していて、運行日やダイヤは公開されていません。このため「見ると幸せになれる」として人気を集めていました。

JR東海とJR西日本に1編成ずつありますが、老朽化などを理由にJR東海の車両がひと足先に2025年1月で引退することになりました。

「青とか白も好きだから、大丈夫だけど、さみしいかな」
「きょうは満足。ああ終わりました」
「来る時のドキドキ感が懐かしかったですね、小学校の頃を思い出しましたね」

残るJR西日本の編成も2027年をめどに運行を終える予定です。

「しょっちゅう見ていて当たり前だけど、最後となるとなんか惜しいって感じがしますね。ま、幸せになりましょう、ありがとう」

安全を背負い、夢を乗せて走り続けたドクターイエロー。線路などを点検する“新幹線のお医者さん”としての役割は乗客を乗せて走る通常の車両に機器を設置することで引き継いでいくということです。

今回、引退する車両は2025年6月頃から名古屋市の「リニア・鉄道館」に展示される予定だということです。