気管に挿入すべき管を誤って食道に入れていた――。現場で処置にあたった救急救命士2人が、手順書で定められている確認を行っていなかったことが、あいテレビの取材で分かりました。

去年11月、愛媛県今治市の伯方島で、海に浮いていた男性が心肺停止の状態で救助され、今治消防の救急救命士が酸素を送り込むために「気管挿管」と呼ばれる処置を行いましたが、その後、搬送先の病院で、管が気管ではなく食道に入っていたことが判明しました。救助された男性は、病院で死亡が確認されました。

今治消防は、医師から「男性の死亡と管が気管に入っていなかったこととの因果関係はない」という見解を得たと説明しています。

あいテレビは、当時、気管挿管の処置に使われたのと同じ管を入手。長さは30センチほどで、柔らかい素材でできています。

「喉頭鏡」と呼ばれる器具を使って、目視で確認しながら気管に入れられます。所定の位置まで挿入された管は、先端部分を膨らませて固定されますが、今回の事故では、管は気管ではなく誤って食道に入れられていたことが搬送先の病院でわかりました。