JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われ、1人が死亡2人が重軽傷を負った事件。
容疑者は何を考え、凶行に及んだのか。
犯罪心理学の専門家に事件から見える特徴や、考えられる背景を聞きました。
関西国際大学 中山誠教授:
「おそらく誰でもいい。特定の恨みを持っているとかいう人じゃなくて、その辺にいる人で何人かを(襲う)、無差別大量の殺人の一つだと思います」
犯罪心理学が専門の関西国際大学の中山誠教授。
無差別に複数人が殺傷された過去の事件と、共通する点があるといいます。
中山教授:
「わりとこういう事件っていうのは社会に対する復讐だと、アベンジャー型っていうのが結構多いんですよ。その原因は何かっていうと、ある程度能力があって、自分自身はある程度仕事ができる能力もある、自信もあるという人間がなんか周りから評価されない。思い込みもだいぶ入ってるんですけど、他責的。他に責任を負わせるっていうか、自分に帰さない」
学生時代は、周囲とも打ち解け、明るい性格だったとされる矢口雄資容疑者。
犯行に至るまでに、どんな人生を送ってきたのかは、わかっていません。
中山教授:
「自暴自棄になって経済的に行き詰まって、で、もうどうなってもいいやみたいな感じで起こす事件はあるんですけど、その一歩手前には一歩手前というかちょっと手前に何か挫折経験があるようなケースも結構多いですね」
その中で、事件に計画性はあったのか。
中山教授が指摘するのは、“犯行まで”と“犯行後”の違いです。
中山教授:
「刺すとこまでは計画性があるっていうか、人を刺そうっていうとこまでは(計画が)あって、冷静にやってると思いますよ。たぶん包丁も1本じゃなくて2本か3本持ってるから、途中で折れたり曲がったりしても、まだ続けられるように、そこらへんは非常に冷静沈着に準備してると思いますね」
一方で。
中山教授:
「計画がかなり中途半端だったような気がするんですよね。どこまで考えてやってたか。犯行後の計画性が何もないっていう、そこがちょっと気になりましたね」
逮捕された時には長かったひげをそり、犯行時にかけていたメガネもしていなかった矢口容疑者。
発覚を免れる行動に見える一方で、逃走中は防犯カメラに映り、そのまま自宅に留まるなど、犯行後の行動は場当たり的と中山教授は指摘します。
黙秘を続けていることについても。
中山教授:
「ちょっとやっぱり(計画が)中途半端なとこで終わってるので、警察にどう答えたらいいかわからない」
事件を解明していくためのポイントとして中山教授が挙げるのは「トリガー」=引き金となったものの存在です。
中山教授:
「どういう経緯がその犯人を最後に行動を決定づけたか。そこは大事かもしれないですね。動機というよりもトリガーですね。最後の最後の決め手になった、どこが何がっていうことです。それを十分に解明できれば再発を防げるかもしれない」
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