白鳥の飛来地、富山市。多い年で1000羽の白鳥が富山で冬を越します。数年に一度、そんな中に羽をケガをしてシベリアに帰れなくなる白鳥がいます。昨シーズンも、左の翼を傷めた白鳥がいました。その白鳥はつがいの一羽で、ある日、田んぼの農道を、警戒しながらテクテクと歩いていました。いったいどこへ、何のために?富山の白鳥カメラマンも思わず「意味分からん…」。

富山で越冬する白鳥の飛来は1月から2月にピークを迎えます。ビデオカメラで富山市に飛来する白鳥の数を数えるのは富山市の白鳥カメラマン澤江弘一さんです。

去年2月に富山市を流れる山田川で、左の翼を傷めた白鳥を見つけました。

澤江弘一さん:「首の付け根ぐらいを痛めていました。翼の根元でダメになっている感じでした。最初の羽ばたきを撮影した映像をみると左の翼はほとんど開くことができません」

雪の降る2月、その白鳥が突然、川からあがり堤防を登っていきました。そして、堤防道路を警戒しながら、ゆっくりと歩きだしました。

テクテク、テクテク…。どこに行くのか観察していると、富山に飛来する白鳥たちが、日中にやってきて餌を食べている田んぼでした。300mほど離れた田んぼには、パートナーのほかにも富山に飛来している多くの白鳥の姿がありました。