◇《難関の“介護福祉士”資格…外国人が取得する難しさ》
森田絹子キャスター)
シェルパさんは、特定技能1号です。
外国人が日本で5年以上、働く場合は、特定技能2号と同等の“介護福祉士”の資格を取得した人に認められる“介護”という在留資格だけで、外国人の合格率は40%にも届かないほど、難しいものです。
堀啓知キャスター)
韓国などの方が給料も高いけれど、日本の良さを感じて働きに来たと言っていました。松本さん、こうした人材は大事にしなければならないですよね。
コメンテーター 松本裕子さん)
ネパールのかたは高齢者を敬うという国民性があって、日本の介護に必要な思いやり・寄り添いといった姿勢と一致します。
介護福祉を研究する大学の先生の話では、外国人のかたが話す、ゆっくりとした優しい日本語は、認知症の患者さんと相性がいいとのことです。
こういった外国人の人材が、少しでも長く日本に居ることができるような制度にしていくべきだと思います。
森田絹子キャスター)
特定技能制度を管轄している、出入国在留管理庁に話を聞きました。
担当者によると、5年という期限を設けていることについては、“スキルアップの期間にしてほしいとのことで、技能実習などのほかの資格も5年となっているため、そのバランスもある”としています。
堀啓知キャスター)
野宮さん、外国人労働者に活躍してもらう制度なのに、短期的な労働力確保に留まってしまう制限が、いま残っている点については、どんな印象を持たれますか。
コメンテーター 野村範子さん)
このルールの立て付けが、いまの日本が置かれた実情を考えると、ちょっとどうかなと思えてします。
介護人材は、15年後の2040年には、57万人不足すると言われています。
外国人の介護人材がいま、大都市と地方で引き合いになっていますが、アジア各国も、日本同様に今後、高齢化に向かっていくことを考えると、将来的には、国レベルで介護人材を取り合うような事態にもなっていくのではないかと思います。
従来の制度上の制限を残すような対応では、シェルパさんのようなモチベーションがあっても、5年間のスキルがある人が帰らなければならないわけで、日本が置かれている現状を見据えれば、日本が選ばれる国になるために、何が必要なのを考えていかなくてはいけない気がします。
短期間の労働力、働かせてやっているという感覚があるんじゃないかと思ってしまいます。
堀啓知キャスター)
考え方として、どんどん仲間に入れていく、コミュニティーに入れるという制度にしていかなければいけないのかなと思います。
制度改革は、本気で解決していくべき課題が、まだ数多く残されています。
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