2024年末から静岡県内では交通死亡事故が続いていて警察が注意を呼び掛けています。自動車学校の教官は重大な事故を起こさないために何より大切なのがドライバーの「意識」だと指摘します。

年末年始から相次ぐ死亡事故。1月16日、静岡県函南町で軽ワゴン車と歩行者が衝突する事故があり、83歳の女性が死亡しました。2025年に入ってから県内ではすでに交通事故で8人が亡くなっています。この状況に警察も危機感を募らせます。

<県警本部交通部交通企画課 堀井泰孝管理官>
「昨年11月に3年9か月ぶりに交通死亡事故多発警報が県内に発令されましたけれども、年末にもう一度多発警報が出ました。年に2回多発警報が出るのは、平成26年以来、10年ぶりとなります。県民の皆様にとって非常に危険が及んでいるということで、交通安全意識を高めていただかなければいけないと思っております」

大事なのは、交通安全の意識。自動車学校で重大な結果につながりやすい危険な運転について教えてもらいました。

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「重大事故の原因となりうるスマホを見ながらのわき見運転、こちらを体験してみてください」

<社会部 山口駿平記者>
「スマホを見ながら運転してみます」

前を気にしているつもりでもスマホを見ていると注意は散漫になります。

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「運転も直線ではあるんですけど、かなりのふらつき具合で自分の中では無意識だと思うんですけど、ふらついちゃってる状態なんですね」

<山口記者>
「まっすぐ走っているつもりなんですが(センターラインを)はみ出してますか」
<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「そうですね」

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「あ、ちょうど信号が赤になりました。たしかに黄色信号がみえてなかったですし、こうなれば歩行者の進路をふさいでしまっていますし、このままいけば交差点で起きる重大事故に繋がってくる」

さらに、右側を意識せず、車を走らせると…

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「交差点を右折をするときに右側から来る歩行者を見落としてしまうという」

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「危ない!」
<山口記者>
「おお!まっすぐ前だけ見てるとこの辺りと重なって見えないですね」
<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「ピラーの死角に入ってしまってですね」

右折の際は交差点の中央まで進むことで視野が広がり、歩行者に気づきやすくなります。

<静鉄自動車学校 鈴木康裕さん>
「とにかく、車という一歩間違えれば、凶器にもなりかねないこういった乗り物に乗っていますので便利な道具として使っていただく。そのためには、自覚と責任を持っていただくのが非常に重要だと思います」

事故を起こさないためのポイントをもう一度確認していきます。県警は特に暗くなる時間帯の右からの横断者はドライバーから死角になりやすいということで早めのライト点灯を呼びかけています。

一方、静鉄自動車学校の鈴木さんはスマホを見ないといった当たり前のことを守って、運転に集中することが大切だと話しました。運転技術とは関係ないドライバーの「意識」が事故防止につながります。