調査委員会のあり方…弁護士は「結果の公表に懸念があった可能性」指摘

井上貴博キャスター:
フジテレビの港浩一社長は「第三者の弁護士を中心とする調査委員会に調査を行っていただきます」という発言をしました。「日弁連の定義に基づく第三者委員会か」という質問に対しては、「現時点では日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会ではないと思う」としています。

日弁連の「第三者委員会のガイドライン」とは、▼企業から完全に独立した委員のみで構成し、▼利害関係にある人はNGというものです。また、企業は調査に全面的に協力し、結果は原則公表。内容の事前確認はできない、というものになっています。
では、フジテレビが日弁連のガイドラインに添えなかった理由は何なのでしょうか。レイ法律事務所の河西邦剛弁護士は「『結果の公表』というところに懸念があった可能性がある。会見でも公表の仕方に言及していない」と話しています。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
フジテレビも、他の企業でいろいろな問題が発覚したときに報道しているわけで、成功例や失敗例の知識もあるはずです。自らこういう形になってしまったのはなぜなのか、私も不思議に思います。
ホラン千秋キャスター:
確かに、最も多くの会見例を見てきているのがテレビ局ですよね。
あとはスポンサーのことでいうと、どのようなアイデンティティーを持っていて、どのような価値観を支持しているかが、各企業に問われる時代になっていると思いますが…。

ハロルド・ジョージ・メイさん:
これだけの企業がCM放映を取りやめているというのは、この問題に関心と危機感を感じている証だと思います。
とにかく企業というのはリスクアレルギーで、リスクはとにかく避けたいものです。CMをどこで流すかによっても「あなたはそこを応援しているのか」という結びつきができてしまうので、それならもう放映をやめようということでしょう。
第三者委員会うんぬんの話になっており、もちろんそれは大きな問題ですが、私はまだ第一歩だと思います。調査の結果を踏まえて再発防止をするのか、何をどう変えるのか、むしろそちらのほうが大事ですよね。
井上キャスター:
社内の人間をゼロにする必要はないけれども、しっかりと調査したうえで、どう再発防止をするのか。現場がこれだけ大変な思いをしているなかで、フジテレビ自身に危機感は本当にあるのかどうかというのは感じます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
やはり、会見に記者クラブだけを入れたという段階で「ちょっとどうか」という話になっているわけで、当然だと思います。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長などを歴任
現在パナソニック社外取締役 アース製薬社外取締役など中居正広さんの女性トラブルをめぐってフジテレビでのCM放映を見合わせる企業が25社を超えています。フジテレビが設置した「調査委員会」の“透明性”に対する疑問も指摘されています。解説です。