2期目のアメリカ大統領に就任する、ドナルド・トランプ氏。公約実現に向け、多くの「大統領令」に署名する意気込みを示しています。関税引き上げや、不法移民対策のみならず、支持者を優遇するようなものや、自身の気に入らない官僚などを解雇できる大統領令に署名する可能性も指摘されています。解説です。
寄付額は300億超?“異例”の大統領就任式
良原安美キャスター:
日本時間21日未明から始まる、アメリカ大統領就任式の主な行事を見てみましょう。

新旧大統領のバイデン氏とトランプ氏が議事堂へ向かい就任宣誓と就任演説が行われ、前大統領の送別が行われます。その後、昼食会があり、パレード、舞踏会という流れで行われます。

2017年の就任式の際の舞踏会では、トランプ氏は白いドレスを着たメラニア夫人とトランプ氏とともに登場し、ダンスを披露しました。今回も舞踏会は行われるそうですが、今年の就任式は少しイレギュラーな点もあります。
現在、ワシントンでは記録的な寒さのため、通常は屋外で行われる宣誓と演説は、40年ぶりの議事堂内での開催に変更。また、外を歩くパレードは中止となり、屋内のイベントが開催されます。
さらに今回、“異例”となっているのが、寄付額の大きさです。

大統領就任式の大半は寄付で運営されていますが、300億円を超える寄付が集まっているそうです。
2017年(前回トランプ氏の大統領就任式)に集まった寄付額は1億700万ドルでしたが、今回の大統領就任式では、GoogleやAmazon、Apple、トヨタ自動車などが寄付していて、合わせて2億ドル=日本円にして約310億円以上が集まっており、2017年と比べてもかなり大きな額が集まっていることがわかります。
なぜこんなにも寄付が寄せられたのでしょうか?早稲田大学の中林美恵子教授は「トランプ氏に対する恐れと期待がある。“政権支持”の既成事実を作りたいという狙いも垣間見える」と話しています。
ホラン千秋キャスター:
大企業は、トランプ氏がどのような政策を今後展開するのか、自分たちに不利にならないでほしいという思いはもちろんありますよね。

パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
トランプ氏は元々ビジネスマンですし、やはり何より彼が大事にしてるのは“忠誠心”です。なので寄付を始めたり、あるいはトランプ氏がやりたがってる政策を少しでも自社に導入しようとしたり、各社、尊敬・忠誠心の証明を早めに行っています。
井上貴博キャスター:
トランプ氏は、予測不能な部分が多く報じられる一方で、ビジネスマインドがとても強い。なので、判断基準がアメリカのためになるかを重視されます。例えば、日本製鉄によるUSスチール買収も、バイデン氏は「No」としましたが、アメリカの利益となることをしっかり伝えられればひっくり返るのではないでしょうか。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
このプロセスの面もお金や、雇用を守るなどの様々な約束事をもう一回アピールできるかどうか、日本政府にかかってますよね。