帽子が消えた理由

ところが、戦後の高度成長の中、帽子をかぶる男たちは次第に消えていきました。
理由はいくつかありますが、「男たちも髪型を気にするようになったこと」は一因でしょう。特にポマードなどで髪をなでつけたところに帽子をかぶると、髪型もおかしくなってしまいますし、帽子が汚れてしまいます。

戦後、高度成長に入ると、次第に帽子の紳士が少なくなっていきました。(1957(昭和32)年・受験生を見送る父母たち)

もうひとつは民主化です。「地位や権威の象徴」であった帽子から、もしかしたら人びとは解放されたがっていたのかもしれません。高度成長と民主化という戦後のビッグウェイブが、男たちに帽子をやめさせたというのです。
また、次第に外国映画などでも帽子のヒーローは次第に消えていき “無帽時代の風潮”は世界的に進み、今にいたるわけです。