■それでも「期待しすぎないように・・・

繁殖が難しい動物だけに、獣医師の野々上さんは、期待しすぎないよう注意していました。
獣医師 野々上範之さん
「どちらかというとネガティブな、最悪に備えたいと思う方の獣医なので、これ病気だったらどうしようってドキドキしながら」

9月のエコー検査で、背骨や肋骨が見えて初めて、やっと確信したそうです。
獣医師 野々上範之さん
「やっぱりその時が1番興奮しました。これ、ちゃんと赤ちゃんの形してるなってのが目に見えた時ですね」

■奇跡的?! メイとダイの相性
一般的に、交尾したからといって、すぐ妊娠するわけではありません。しかし、この2頭の相性は抜群でした。
阿部勝彦園長
「2日連続でね、交尾はしたんですけど、それで妊娠というのはね、本当にすごい、もう本当に奇跡的だと思いますね。それはびっくりしました」

■国内初の出産に向けて
ゾウの妊娠期間は、20~22か月。ただ、マルミミゾウの出産について、詳しいデータはなく、今後も注意が必要です。
獣医師 野々上範之さん
Q.もう全然大丈夫だっていうことではないんですか?
「全然ないですね。そもそも象が流産が多い時期っていうのが、妊娠の15か月と17か月っていう報告があります。そうすると、多分今年の3月だったり5月ぐらいに・・・」

動物園のスタッフは、ヒトが手出しできることは少ないが、何か起きたときの変化を見逃したくない、と言います。
ゾウ担当 佐々木直行さん
「本当に月並みではありますけど、無事に生まれてくれるのと、あとはメイがちゃんと子どもを自分の手で育ててくれるっていうのが1番の願いですね」
獣医師 野々上範之さん
「本当祈るような。このお正月も初詣で、そればっかりお願いしてきたので」

メイの出産は今年8月から10月、とみられています。マルミミゾウの出産は国内初で、今後も日本で、マルミミゾウが見られるかどうかは、メイとダイにかかっている、とも言えます。

■クラウドファンディング
安佐動物公園が開始した、妊娠・出産・育児を支えるためのクラウドファンデング(1月24日まで)は好調で、最終目標の2400万円を達成しました。(放送後更新)