ロシアのプーチン大統領は、ウクライナの4つの州で強行された住民投票の結果を受け、30日に「併合」についての演説を行うことがわかりました。一方、予備役の動員を巡って、ロシア国内では混乱や反発も起きています。

■予備役の部分的動員発表でロシアからの脱出急増


記者
「ロシアとの国境にあるジョージア側の国境検問所です。ロシア側には長い車列が出来ているほか、徒歩や自転車で国境を越える人たちもいます」

9月21日、プーチン大統領が予備役の部分的な動員を発表。兵役を逃れるために、国外に脱出するロシア国民が急増しています。

ロシア人男性 
「妻はロシアに残っている。いまの状況が続いたら妻とペットを呼び寄せます」
「少なくとも今のロシアは、若者がとどまるには安全ではない」


しかし、ジョージア側では「ロシアを捨てた人は歓迎しない」と書かれた横断幕が。ロシア人の流入に反対するデモが起きているのです。

ジョージア内務省によりますと、予備役動員が発表されてから1日に1万人のロシア人が入国しているということです。


こうした中、ロシア国防省は予備役が軍事訓練を受ける様子だとする映像を公開しました。「戦場で自信をもって行動」するための訓練が行われていると説明。

一方、アメリカメディアは訓練されていない予備役が、ウクライナ各地の戦線に投入され始めていると伝えています。

■高齢者や持病がある人も誤って招集 市民に変化は…


予備役の動員を巡っては、ロシア国内で混乱も起きています。南西部の都市では、学校の校長を務める男性(58)が招集命令を受けました。

校長の娘
「彼は子ども達を残し、校長の職を辞して軍事委員会に向かいました」

男性の娘が「父親は軍隊経験がなく、持病がある」とSNSに投稿。当局が書類を確認し、男性は解放されたということです。


高齢者や持病がある人が誤って招集されていることに反発が高まっていますが、現在の街の様子をモスクワ在住の廣瀬さんに聞いてみると…


モスクワ在住 廣瀬功さん
「街を歩いていると、何か大きな変化が起こったとか、そういうことは感じられない」

街の様子に大きな変化はないと言いますが、人々の心理面で変化を感じていると話します。

モスクワ在住 廣瀬さん
「直接自分たちに影響が出てきたということで、心配だと。家族も動員される可能性があるので心配だ、といった話を聞きます。鬱っぽくなっている人が多い」