投資用マンションやアパートを舞台に、静岡県の「スルガ銀行」が不正融資を繰り返したとされる問題の第3弾です。調査班は、損害賠償を求めて福岡地裁に訴えを起こした県内に住む男性と、不正融資に関わったとして「スルガ銀行」を懲戒解雇された元営業部門のトップに話を聞きました。

◆ローン総額は2億6000万円あまり

提訴した公務員男性(50代)「自ら命を絶つ、こういうところで解決するしかないと思っていた時期はありました」


福岡県に住む50代の公務員の男性です。10年前、子供の学費や退職後の生活を考え、投資用として大阪府にある築24年の中古アパート1棟を購入しました。1億5000万円のアパートを購入するために組んだローンの総額は、2億6000万円あまりです。


提訴した公務員男性(50代)「葛藤というか悩みました。もし失敗したら大変なことになるんだろうなというのは普通にありました」

◆月に約20万円の赤字

男性の心配は、すぐに現実のものとなります。全26部屋のうち、25部屋が入居中の優良物件と聞いて購入したアパートは、実際には15部屋の入居しかない物件だったのです。

15部屋分の家賃収入から銀行へのローン返済分を引くと、月に20万円ほどの赤字となってしまうため、男性はアパートを購入した不動産会社と家賃のほぼ全額が補償されるサブリース契約を結びました。しかし、このサブリース契約も6年後、一方的に解除されてしまったのです。