2024年に創建1300年を迎えたかつての東北の中心地、宮城県の多賀城について、県は、当時重要な政務や儀式が行われた施設「政庁」の復元に向けた検討を始めることになりました。

宮城県が2025年度から復元の検討を始めるのは、国の特別史跡「多賀城跡(あと)」の中にある「政庁」です。

政庁は多賀城のほぼ中央に位置し、重要な政務や儀式が行われた施設です。
県は、多賀城が最も栄えていた8世紀後半の政庁の復元を目指していて、東西103メートル、南北116メートルの塀の中には12の施設が並んでいたとされています。

村井嘉浩宮城県知事
「地元の人はよくご存じですけども全国的にはあまり知られていない。一番はそこに何があったか見えないということにある」

県は2025年度から有識者を交えて検討を始め、文化庁の補助金や来年度導入する宿泊税の活用も視野に10年から20年かけて復元工事を行う考えです。
事業規模は数十億円から100億円ほどを想定しています。

村井宮城県知事
「多賀城がここにあってそれによって東北が発展する一つの拠点だったということを若い人や子どもにも学んでほしい」
県は、政庁を復元することで多賀城の歴史的価値を発信し観光振興を強化できると期待しています。