皇居では、元日から新年の行事が行われ、天皇陛下は「安らかで良い年」となることを願われました。戦後80年にあたって、いまも世界で続く戦争や紛争への思いも寄せられています。
6万人あまりが訪れた2年ぶりの新年一般参賀。天皇皇后両陛下や上皇ご夫妻らが、皇居・宮殿のベランダに姿を見せられると、大きな歓声がわきました。
「新年おめでとうございます。皆さんとこうして新年を一緒に祝うことを嬉しく思います」
皇居での新年行事は1月1日、元日から行われています。こちらは、宮殿・松の間で行われた「新年祝賀の儀」。陛下は「年頭にあたり、国民の幸せと国の発展を祈ります」などと述べられました。
この際、女性皇族はティアラを着用。両陛下の長女・愛子さまは叔母の黒田清子さんのティアラで臨まれました。秋篠宮家の次女・佳子さまは、30歳を迎えて初めての公務です。
弟の悠仁さまも、和服姿で上皇ご夫妻にあいさつ。カメラの前に姿を見せられるのは、大学合格以降、この日が初めてです。
そして、これは天皇ご一家の新年映像。陛下が手にされているのは、石川県輪島市の「御陣乗太鼓」の面です。去年、両陛下は、地震や豪雨の被災地・能登を3回にわたって訪問し、被災者らを励まされました。
2日の新年一般参賀で述べられたのも被災地への思いでした。
「昨年の元日に発生した能登半島地震や各地で起こった大雨の災害などにより、未だにご苦労の多い生活をされている多くの方々の身を案じています。本年が皆さんにとって安らかで良い年となるよう願っております」
そして、戦後80年を迎える今年。陛下は新年にあたっての文書でお気持ちをこう寄せられています。
「終戦以来、人々のたゆみない努力により今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられた一方で、現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます」
今年、両陛下は沖縄や広島、長崎への訪問が検討されているほか、今月17日で発生30年となる「阪神・淡路大震災」の追悼式典に出席するため、神戸市を訪問されます。
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