今年のノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の授賞式が12月10日夜(日本時間)、ノルウェーの首都オスロで行われた。12月24日のRKBラジオ『田畑竜介GrooooowUp』では、授賞式を現地で取材した長崎新聞社の佐々木亮記者に、旧知の仲でもあるRKB毎日放送の神戸金史解説委員長が話を聞いた。

高齢被爆者「命がけの渡航」とスピーチ

オスロで佐々木亮記者=本人提供

神戸:オスロまで取材に行く機会はもちろん初めてでしょうけれども、現地はどんな様子でしたか?

佐々木:ちょうどクリスマスシーズンで、クリスマスの飾りに日本被団協のシンボルである、折り鶴がぶら下がっていたり、クリスマスマーケットの観覧車に折り鶴があしらってあったり、歓迎ムードにあふれていました。

金の折り鶴=© Nobel Prize Outreach. Foto Jo Straube

神戸:緯度が違うから、日本とはずいぶん感じが違うんじゃないですか?

佐々木:朝は9時ぐらいまで薄暗くて、午後は2~3時ぐらいになると暗くなる感じで、日本の感覚で仕事をしていると「夜になったから早く原稿書かなきゃ」と時計を見たら、まだ夕方の5~6時だったり。

神戸:時差も結構ありますよね。

佐々木:あります、8時間です。

表彰式に臨む日本被団協の3人=©Foto Helene MariussenNobel Prize Outreach

神戸:そこまで離れたオスロに、日本被団協の代表委員が行きました。高齢だから、大変だったんじゃないですか。

佐々木:飛行機の中で2泊し、実質4泊6日のツアーでした。60歳の私でもかなり体力的にきつかったんですけど、平均80歳を超える被爆者の皆さんはどれくらい大変だったか。「まさに命がけだった」と思うんです。時差もありますし、寒いですし、緊張もされるでしょうし。でもそこまでしても世界に訴えたいことがあったんだと考えると、本当に被爆者の皆さんの訴えをちゃんと真正面から受けとめたいなと思いました。