ドイツでクリスマスマーケットに車が突っ込み、200人以上が死傷した事件。拘束された男は「移民政策」に不満があったとみられています。移民問題に揺れるドイツで何が起きているのでしょうか。
東部マクデブルク。近くの教会では追悼集会が続いています。
金曜の夜、家族連れで賑わうクリスマスマーケットに車が突っ込み、9歳の男の子を含む5人が死亡しました。拘束されたのはサウジアラビア出身の男で、難民として認められていました。
詳しい動機はわかっていませんが、「ドイツはヨーロッパをイスラム化しようとしている」とSNS上で投稿したとされていて、ドイツの政策に不満があったとみられています。
「移民」について街で聞いてみると…。
市民
「助けを必要とする人のことは、喜んで受け入れるべきです。ただ本当に助けが必要かどうか、ちゃんと審査されるべきです」
「ここに来た人(移民)たちのことが怖いのです。単純に怖いのです」
難民としてドイツに渡ってきた当事者からは。
ケバブ店の店員(シリアからの難民)
「この店の客の99%はドイツ人です。この店で『帰れ、おまえらは外国人だろう。ここで何をしているんだ?』なんて言われたことはありません」
この街がある州の最新の世論調査では、これまで州の政権を担ってきた「CDU」の支持率が32%とトップですが、移民排斥を掲げる極右政党「AfD」が30%と躍進しています。
AfDの地元幹部はこの背景について、自分たちの反移民政策の主張が受け入れられてきたとの見方を示しました。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」 マクデブルク市議団団長
「私たちAfDだけが市民の意思、有権者の望みを代表し、それを実行する唯一の勢力だということをみんながだんだん、わかってきたからです」
さらに寛容な移民政策を進めてきた政府を批判します。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」 マクデブルク市議団団長
「容疑者の難民申請は通りましたが、本当は難民として認められる理由はなかった。だから、この襲撃事件も防ぐことができたはずです」
長年、移民問題に向き合ってきたドイツで起きた今回の事件。来年2月に実施される見通しの総選挙に影響を与える可能性が指摘されています。
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